日本商工会議所と東京商工会議所は5月28日、政府が検討する最低賃金引き上げに反対する緊急要望書を取りまとめたと。政府は2017年の「働き方改革実行計画」内で、年3%の最低賃金引き上げを行い、全国平均1000円を目指すとしていたと。なるほどね。
まあ経営サイドから言わせてもらうと、最低賃金1000円なんて無理だね。政府側は、「働き方改革で賃金上げるって言っちゃったからなんとか頑張ってよ」と。労働者側は、「時給900円じゃあ生きていけないんだよ。もっとくれよ」と。政府も労働者も、ヤバいところを全部企業に押し付けてる。自身の能力の無さを棚に上げ、不景気に対する矛先を企業に向けている。全くもってタチが悪い。
最低賃金は都道府県によって違っていて、平成30年の最高値は東京の985円。次が神奈川の983円。最低が鹿児島の761円。で、全国平均が874円と。これを1000円に上げるなんて全然イメージがつかない。一応そのまま計算してみると、東京は最低賃金を1127円にしなければいけない。
僕の感覚で言うと、これはしっかり儲かっている企業でしか出せない額だ。ZOZOはこの間確か時給1300円で募集してたよね。あれが良い例だね。「それでも生きていけないんです」っていう人には、「幕張に住めば家賃補助出すよ」と言ってる(←これアルバイトもOKなのかは知らないが)。
政府の働き方改革と、不景気日本で生きる労働者の願いを叶えられるのはもはやZOZO式しかない。つまり、「ガツッと儲ける→なるべく非正規社員を雇って厚遇する」みたいな。これが不景気を生き延びる企業の最善策となりつつある。さあ、どうするか。世の経営者。
僕からの提案はこうだ。「時代にアジャストしつつ、機を待つこと」。まず大前提は儲けること。そしてZOZO式で非正規社員を増やす。でもそれは一時的なもので、その後正規社員割合を増やして強固な企業を作り上げる。でも、「何年後かにまた正規社員増やすよ~」とは言わないでおく。「できないかも」ってことでなく、戦略として言わない方が多方面に対してうまくいくだろうと僕が読んでるから。無理して変なプライドを持ち出して正規社員増やしたりはしない方がいい。それで潰れたら本末転倒だ。今は特に、時代に合わせてコストを抑える。周りから何を言われようが気にすることはない。きっとどうせ、今批判を恐れて無理をした結果、疲弊し痩せ細った倒産間際の企業が今後増える。そしてそれと同時期に、今を巧みにしのいだ企業が溜めた力を解放する時が来る。だから今を “静かな転換期” と捉えられない企業は本当にヤバいことになると思うよ。一度落ち着いて3~5年の計画を再考してみるといいね。もしも大前提の「儲ける」がうまくいかない企業は僕に相談した方がいい。
