戊辰戦争に参加した白虎隊の墓がある地で、墓守をしてきた家の方が御朱印を書くサービスをしていた。

1枚書くのに5分くらいかかるらしく、客から「一人に何分かけてるんだ」「手際が悪い」などとクレームがあったと。

それがきっかけで書く気になれなくなり、御朱印帳に書くサービスを止めたらしい。

まあどうでもいいニュースだが、これをビジネス的な視点で考察してみたい。

まずポイントは以下2点。

1つ目は、この御朱印書きサービスは有料であること。つまりクレームを言ってきたのは客ってことだ。

そして2つ目は、多分このビジネスは「独占」だ。つまりここで御朱印書きサービスをしているのはこの家のこの人ひとりだけ。まわりで同じサービスをしている人はいない。

上記2点により、提供する側の気分で「止める」なんてことになってしまったのだ。売り手側有利の売り手市場だったってことだね。

解決策はごくごく単純なものだったはずだ。

店先に「御朱印は書くのに5分程かかります。御朱印帳をお預かりします。」と掲げて、現在何分待ちかを表示しとけば解決する話だった。

時間がかかることを知らなかったから「遅い」とクレームが来たんだ。初めから遅いってわかっていればクレームどころか、時間をかけて書いてくれたものとして、より高い価値を感じるだろう。当然、元々そういう気持ちで書いてもらってた客もたくさんいただろうけどね。

でももしもバスツアーで来てて、滞在時間が決まっているとしたら、御朱印を楽しみにしていたのに現場で初めて時間がかかることを知れば、それは少しイライラするだろうね。観光客にとって時間は大事なんだ。

 

現在は、事前に紙に書いたものを販売しているらしい。自分の御朱印帳には書いてはもらえないってことだね。

でも実はビジネスの仕掛け的に言うと逆にこれは良い。結果的に。

本来なら自分の御朱印帳に色んな神社とかの御朱印を集めるものなんだろうけど、ここのだけは書いてある紙を買うと。そうすると買った人は御朱印帳に自分で貼るなり挟むなりする。すると他のとの差別化ができ、他のよりプレミア感が出る。紙に書いて売るようになった理由もフックになって記憶にも残りやすい。

そして更に、御朱印は本来、御朱印帳を持っている人だけが買うサービスだ。だが紙に書いたものを売るのであれば、御朱印帳が無い人でも買える。買う可能性がある人が増えたってこと。

つまり結果的にビジネス戦略として良い方向に向かったということになるね。無意識だろうけど。

絶対無いと思うが、もしこれを意図的にやってたらと思うとゾッとする。とんでもない戦略家だ。だってヤフーニュースにもなってるから宣伝効果も抜群だし、、、いやいや無いよねまさか。