これは極論だということは十分承知しているけど、
僕は人生は『一夜の夢』だと思ってる。
自分が死ぬとき、それまでの何十年の出来事はそれこそ
一夜で回想出来てしまうだろう。
例えば、今日の出来事なんて全く思い出さない。
多分、幼少期の心ゆくまでの遊び、思春期の悩みと努力を愛おしみ
心から愛した人を想い、親友と語り、両親と恩人に感謝し
死ぬ気でやった仕事だけを誇らしく思い、子育てを懐かしみ、
残す家族の幸せを祈るのだろう。
きっと大好きなあの曲も忘れないと思う。
だから、今ルーティーンでやってることや駆け引きの人付き合い、
義務感だけでしてる仕事や家庭サービス、鬱屈とした悩み、漠然とした不安
なんてものは跡形もなく消えるんだ。
夫婦間の細かなすれ違いや教育の失敗、さもしい優越感や退屈しのぎの趣味
そんなものは無かったも同然のことなんだ。
自分が狂おしいほどに愛して死ぬほど苦しんだ物事しか残らない。
そしてそれすら一夜の夢なんだ。
そしてその夢がほろ苦くもいい夢だったと思いながら世を去りたいと願う。
身を捨つる人はまことに捨つるかは捨てぬ人こそ捨つるなりけれ (西行)