一昨日(2022年11月15日)、5回目のコロナワクチン(オミクロン株対応2価ワクチン・ファイザー社)の接種を受けてきました。

私は1~4回目の接種は全てモデルナ社のワクチンで、今回初めてファイザー社のワクチンでしたが、今回も含めて副反応は極めて軽く、接種から二日目の今も発熱はなく、接種部位の痛みが微かにある程度です。

 

ただ、例の頸椎ヘルニアに伴う首筋等の痛みはたまにあり(このワクチン接種の当日がまさにそうでした…)、その際は、まあ、対症療法(湿布や鎮痛剤服用)で凌いでます(T_T)。

 

さて、そんななかでも、先日、長年応援している大竹一重(おおたけひとえ)さんの舞台を観てきましたので、その観劇レビューをお届けします。

よろしければ、ご覧になってみてください。

(なお、大竹一重さんのTwitter等で既に広く公開された諸画像を、本レビューでも掲載させていただきました。ご了解くださいませ。)

 

 

 

■  『石川五右衛門(Aチーム)』(一部ダブルキャストあり)

(BOW 9th)

(脚本・演出 桒原秀一)

【2022年度(2022年4月-2023年3月)の観劇通し番号 No.19】
【2022年度下半期(2022年10月-2023年3月)の観劇通し番号 No.3】
【2022年1月からの暦年の観劇通し番号 No.23】
【鑑賞日時 2022年11月11日(金)18:03-20:59】

18:03-19:03 一幕

19:03-19:15 休憩

19:15-20:59 二幕

【チケット代金】6,500円(前売り指定席・大竹一重さんに依頼)
【座席&劇場内の様子】
・客席最前列センターの席(ニ列11番)に座りました。

←ちなみに「ニ列」は、イロハニ の「ニ列」です。

・急なキャンセルでもあったのか、私の右隣の席は最後まで空席でした。

・若干の空席はありましたが、観客が皆、最初から最後まで、観劇に集中している雰囲気に満ちた劇場空間でした。

(於 シアターΧ(カイ)

 

※ BOWの公演は、多くのキャストが登場することが多いです。

 

【こんなお芝居でした】

この公演は昨年の秋に上演できず、BOWとしてもいわば満を持しての公演でしたので、まずは、キャスト陣全員のパッションが弾けるような、躍動感満載の舞台でした。

 

安土桃山時代に実在したといわれる大盗賊の石川五右衛門という人物は、後世、多くの戯曲作家によって創作され、その結果、虚実取り混ぜた物語が数多く誕生しましたが、今回、桒原秀一さん(BOW代表・脚本と演出担当)は、「豊臣秀吉と石川五右衛門が兄弟だった(?!)」という奇想天外な設定で、ダイナミックであると共に、登場人物全ての間に漂う「愛情・情愛」が確たるモチーフとなるお芝居を創ってくれました。

ちなみに、大竹一重さんも、「親子愛、兄弟愛、夫婦愛、様々な愛の形が描かれています作品」(パンフレットより引用)と語っています。

 

「愛」や「祝言」というモチーフが、いわば一種の通奏低音となっているお芝居ですから、多くのシーンにおいて展開される、それらの情愛の襞(ひだ)の全てを分析することは不可能です。

そこで、やはり、石川五右衛門(庄田侑右さん)、その妻のお瀧(大竹一重さん)、五右衛門の兄で天下人となった豊臣秀吉(三上潤さん)の三人に絞って、彼らの間で交錯する情愛の行方について、以下、述べていきます。

 

④五右衛門は遊女だったお瀧を身請けする形で夫婦の契りを交わし、お瀧もまた、五右衛門を心から慕っていましたので、二人の間の愛情は深く永遠に続くものと思われていました。

しかし、五右衛門は、弟(砂押正輝さん・このお芝居の設定では後の豊臣秀長ということになるが…)とのトラブルで負傷し、生死の行方も知れないような状況に陥ってしまいます。

 

※ お瀧(大竹さん)と五右衛門(庄田さん)の稽古場風景です。

 

 

で、その間隙を突くように、五右衛門の兄という設定の秀吉(三上潤さん)が、お瀧と関係を持ってしまいます。

 

※ お瀧(大竹さん)と秀吉(三上さん)の稽古場風景です。

 

 

もちろんお瀧は、秀吉と関係を持ってしまったことを悔い続けますので、後に五右衛門が生きていることが判明した際には、改めて夫婦の愛情を確認し、いわばそのクライマックスとして、五右衛門と共にグラグラに熱せられた釜の中に自ら望む形で身を投じたわけです。

もしかして、五右衛門とお瀧にとって、この釜茹では、夫婦の愛情を究極的に昇華させる「祝言」だったのかもしれません。

 

この終盤最大の見所における、庄田さんの鯔背(いなせ)な啖呵の切りっぷりと、夫である五右衛門との深い愛に殉ずる大竹一重さんの健気で純粋な心持ちをしっかりと表出した演技は、まさに「ブラボー!!」でした(*^_^*)。

 

石川五右衛門の出自に関しては「忍者」だったという説もありますし、また、大阪城に忍び込んで、何と、天下人秀吉の寝首を掻こうとして捕らわれた……という逸話も、有名ですよね。

 

このお芝居では、こういったシーンの一つひとつを、激しく壮絶な殺陣でダイナミックに描いてくれました。

大相撲で砂かぶり席に座っている観客が、巨体の力士が自分の膝の上に落下してくる事を恐れるように、最前列の席に座っていた私は、刀や槍がこちらに飛んでくるのではないかと、マジで恐怖心すら覚える、私の観劇体験においてもNo.1の迫力に満ちた殺陣でした(^_^)v。

 

そして、五右衛門役の庄田さんの流汗淋漓(りゅうかんりんり)ぶりにも、酔いました(*^_^*)。

 

※ 庄田さんの二刀流も含めた殺陣の激しい稽古シーンです。

 

(以上の全ての画像の掲載元は、大竹一重さんのTwitterです。)

 

 

最後に、豊臣秀吉を兄、石川五右衛門を弟としたこのお芝居の設定についてですが……。

 

共に同じ女性を愛してしまったことの悲哀を、盗賊と天下人という身分の違いによってより一層際だたせてくれた、劇作上の秀逸なギミックだと、観劇後に深く感じた次第です。

 

 

いいお芝居(特にソワレ)を観た後の劇場を出る際の高揚感って、最高ですよね(^o^)。

両国の夜風を心地よく感じ、隅田川を渡り返して帰途につきました。

 

 

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