データ(観劇通し番号等)に間違いがありましたので、

訂正しました。

 

 

私の観劇日は土日祝日がほとんどですが、この

日は珍しくウィークデーの夜の観劇となりました。

 

今回は、何とも言えぬ個性的な作品を発表し続

けている<あやめ十八番>さんの舞台について、

紹介させていただきます。

ちなみに、6月17日まで絶賛公演中の舞台です

ので、その点も考慮してのレビューとしますね(^_-)-☆。

 

なお、今公演はダブルキャスト制を採っていまし

て、【紅】(べに)と【墨】(すみ)で大部分のキャス

トが変わりますが、私は、服部容子さん(後述し

ます…)が出演する【墨】バージョンの方を観ま

した。

 

 

 

 

■ 『ゲイシャパラソル【墨】』

(夏の劇場06 日本劇作家協会プログラム|あやめ十八番

第十回公演)

(脚本・演出 堀越涼)

 

【2018年度観劇通し番号 No.13】
【2018年度上半期観劇通し番号 No.13】
【2018年観劇通し番号 No.40】
【鑑賞日時 2018年6月11日19:04-21:14】
【チケット代金(前売・指定席)4,000円】
(於 座・高円寺1)

 

【評価】
☆☆☆のちょっと上
*****************************
【評価】<その基準は以下の通りです>

☆☆☆☆☆
=このお芝居を観て3秒後に急死してもわが人生に悔いなし
☆☆☆☆
=「あの作品良かったなぁ~」と、折にふれて反芻したくなる
☆☆☆
=チケット代分くらいは十分楽しませてもらいましたよ
☆☆
=チケット代、半額でいいんじゃねぇ?!

=チケット代と上演時間分の私の人生を返してくれ! ケッ!
*****************************

 

【短評のつもりが、今回も結局長くなってしまい…】
(1)

あやめ十八番さんの公演は、2017年の4月に、『ダズ

リング=デビュタント 【西洋画版】』という作品を観て

以来でしたが、とにかく、時間軸や空間軸を大胆にい

じったり、あるいは、大胆に交錯させたりして、何とも

言えぬ個性的な作品を、観客に呈示してくれます。

 

ちなみに『ゲイシャパラソル』という作品自体は、あや

め十八番の代表作で、今回は再演の公演となります。

 

チラシによれば、「時は平成60年、まだ見ぬ先の話で

ある。深川芸者、柳屋・仇吉(あだきち)は若くして花柳

界の宝と称されていた。彼女は、(中略) ただ一点、そ

の本名ゆえに花街の宝となった。(中略) 一人の芸者

と、名もなき男の物語」となります(゚Ω゚;)。

 

どうです、何とも言えぬ独特のテイストのお芝居です

よね( ̄□ ̄;)。

 

(2)

冒頭でも書きましたように、まだ公演中の作品です

ので、う~ん、どこまで書きましょうか(^▽^;)……。

 

……ということで、熟慮の末、以下のようなミニマム

な叙述とさせていただきました。

ご了解くださいませ(^人^)。

 

○要するにどういうお話かと言いますと…

平成45年頃から平成60年の頃までの、深川を舞

台としたお話……という設定でした。

つまり、近未来のお話です。

 

でも、江戸の頃に栄華を極めた辰巳芸者(深川

芸者)を多く登場させ、また、幇間(ほうかん)や

傘職人や乞食など、近未来にいるとは思えない

ような登場人物も、お芝居の展開に多数絡めさ

せてきます。

また、ちょっと細かい話ですが、芸者の名前は

「仇吉」とか「染太郎」とか「三四郎」というような

設定になっていて、これは、「昔の辰巳芸者は

男名前を名乗っていた」という歴史的事実をき

ちんと押さえているわけです。

つまり、あやめ十八番さんお得意の、時間軸や

空間軸を大胆にいじり、大胆に交錯させる物語

というわけです。

 

○江戸の設定で、結局、「近未来の何を描きた

かったのか?」と言うと…

(※一部ネタバレがあります。※)

劇中で「ファンファン」という言葉が、何度も何度も

リフレインされました。

「多くの日本人が名前を売ってしまう」とか、「戸籍

売買」といったようなエピソードが、物語の中心軸

に据えられていました。

これらは一体、何を意味しているのでしょうか?

 

私は市販台本も購入しませんでしたから、あくま

でも私なりの解釈ですが……。

 

要するに、

(a)

近未来の日本においては、中国人勢力の日本進

出が益々盛んになってきている。

(b)

彼らは多額の金を払って、日本人の名前を買い、

場合によってはさらに悪質な戸籍売買までが横行

するご時世となっていた。日本人の方でも、「お金

になるから…」と、名前を売ってしまう人も、かなり

多くなっていた。

(c)

芸者の「仇吉」という名前は珍しいことに本名と

され、仇吉は、「東京でただ一人名前を売らない

芸者」として有名であり、かつ「花柳界の宝」的な

信望を集めていた。

(d) ※ネタバレ的叙述あり※

でもそれは、仇吉の矜持(きょうじ)等に依るもの

では全くなく、そもそもは赤貧の父親が、仇吉が

生まれた時に、「ファンファン(中国人??)にま

ず最初に名前を付けさせて、それからその名前

を売っぱらってやろう」と画策していたものの、そ

の後、そのファンファンから連絡が来なくなってし

まい、結果的に「無戸籍」になってしまったからで

ある。

その後この父親は、「無戸籍」の娘を深川の芸者

置屋に売り、ここで初めて娘に「仇吉」という名前

が付けられたわけだが、そもそも「無戸籍」なわけ

だから、名前を外国人(中国人??)に売りたくて

も売れなかった……というのが真相であった。

 

というふうに、私は解釈しました。

 

(3)

また、このお芝居に関するその他のお薦めポイン

トは、以下の通りです。

 

○「和」の舞踊シーンの異次元的な愉しさ

私は最近、西部劇的ダンスシーンを思いっきり

炸裂させた佳作舞台(『TRUSH』)を観ましたが、

この『ゲイシャパラソル』は、「和」の、もっと言え

ば「江戸」の花柳界におけるお座敷遊びテイスト

の舞踊シーンを、ストーリーの節目節目で見せ

てくれて、実に愉しかったですо(ж>▽<)y ☆。

 

「江戸時代のお大尽さんなんて、こんな遊びを

してたんだろうな~」と、思わず呟いていました

が(*^.^*)……。

【参考】

<『TRUSH』(2018年5-6月)のレビュー>

https://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12380926956.html

 

○さすが、村上誠基さん:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

仇吉の初恋の相手は、腕の良い傘職人の大呉

でした。

この大呉を演じたのが村上誠基さんでしたが、

江戸の下町の職人的気っ風の良さ、鯔背(いな

せ)な風情、それでいて、仇吉が18歳の時に政

治家の女になることが決まると、諸事情を忖度

して姿を消す……等々、まあ、とにかく、女のみ

ならず男も惚れてしまうようなカッコイイ職人像を、

シャキーンと舞台上に創り出してくれました(o^-')b。

 

さすが、村上誠基さんです:*:・( ̄∀ ̄)・:*:。

(なお、出演者である服部容子さんの魅力につき

ましては、後述します。)

 

【墨】バージョンは6月16日まで、【紅】バージョン

は6月17日までやっている公演です。

 

ガヤガヤ、ワサワサしているようでいて、意外に

心地よい異空間に身を置きたいと思っている方、

どうぞ、座・高円寺へ!!

指定席券は sold out でも、当日券は出ると思い

ますよ(^_-)-☆。

 

 

■ ☆服部容子さんの面会時画像です☆

 

 

 

座・高円寺の閉館時間の都合もあって、入口を

出た屋外での面会となりましたが、【墨】チーム

の方で野良猫リージェ役を演じた、服部容子さ

んです。

 

 

 

 

服部さんは、座・高円寺劇場創造アカデミー

の修了者(1期生)ですし、既に何度も何度も

座・高円寺の舞台には立っています。

なので、座・高円寺はまさにホームグラウンド

と言っていいでしょう(^人^)。

 

今回の野良猫リージェという役は、実はすごく

重要な役柄でして、メインの任務は、まず、い

わゆる”狂言回し”でした。

ヘアースタイルはツインのお団子、衣装はスリ

ットが深く入ったチャイナドレスという出で立ち

で、リージェは、縦横無尽かつ自由奔放に、

舞台上を、舞台の下を、そして客席に近いエリ

ア…等々を、駆け回ります!!!━━━(゚∀゚)━━━!!!。

 

大人数のキャストで、楽隊の生演奏もあり……

というような舞台でしたし、服部さんの発する

台詞自体に昔の言い回し等も多かったもので

すから、特に前半の時間帯においては、台詞

が聴き取りにくい瞬間も、確かにありました。

 

でも、中盤以降になってきますと、観客の方も、

このお芝居の”個性的な勘所”が掴めてきます

から、ストレス等を一切感じることなく、美貌と

超グラマラスな肢体と豊かな表現力……という、

まさに三拍子揃った俳優服部容子の演技に、

大いに魅せられた次第です:*:・( ̄∀ ̄)・:*:。

 

それから、お芝居の進行と共に、この野良猫が、

ストーリー全般にしっかりと絡んでくることも、次

第に判明してくるんですよ(^_-)-☆。

そうなると、「あっ、服部さんの役って、狂言回し

だけじゃなかったんだ(^O^)…」と、スッキリわか

る瞬間が、これまた『ゲイシャパラソル【墨】』観

劇の醍醐味でございました(o^-')b。

 

服部さんのご丁寧な対応に、感謝申し上げます。

 

 

【参考】

[あやめ十八番の公演に関する過去の記事]

<『ダズリング=デビュタント 【西洋画版】』(2017年4月)のレビュー>

https://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12268296355.html

(ただし短評です。)

 

[服部容子さん出演舞台に関する過去の記事]
<『エロビアンナイト』(2014年6月)のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11886045906.html
<『ボケ神様と不死鳥の騎士団』(2014年7月)のレビュー>
http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11901077576.html
<『爆弾魔メグる』(2014年11月)のレビュー>
http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-11950374500.html
<『ふたごの星』(2015年9月)のレビュー>
http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12072312705.html
<『彼の地』(2016年2月)のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12128835960.html

<『復讐と美味しい料理は後を引く』(2016年8月)のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12188214315.html

<『ふたごの星』(2016年10月)のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12221489606.html

(ただし単独レビューではありません。)

<『熱海殺人事件』初版本(2016年11月)のレビュー>

http://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12221489606.html

(ただし単独レビューではありません。)

<『ダズリング=デビュタント 【西洋画版】』(2017年4月)のレビュー>

https://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12268296355.html

(ただし短評です。)

<『大帝の葬送』(2017年6-7月)のレビュー>

https://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12289296172.html

(ただし単独レビューではありません。)

<『戦争戯曲集・三部作 第三部「大いなる平和」』(2018年2月)

のレビュー>

https://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12355866599.html

(ただし単独レビューではありません。)

なお、服部さんが出演した『FunIQの浮気を終わらせる

3つの方法』;「セントラル・パーク・ウエスト」(2015年12

月)も観ていますが、ごめんなさい、諸般の事情でレビ

ューをアップできませんでした。

なので、だいぶ日時は経過しておりますが(苦笑)、そ

の時の面会時画像のみを、以下に掲載させていただ

きます。

 

rps20151206_072930.jpg

 

『FunIQ の浮気を終わらせる3つの方法』

;「セントラル・パーク・ウエスト」の際の、

服部容子さん画像です。

(2015年12月5日撮影・於 studio BLANZ)

 

 

Android携帯からの投稿