私は、5月19日(土)のマチネでこのお芝居を観ました

が、諸般の事情により、同じ日のソワレで観た『ドブ

恋9』というお芝居の方のレビューを先行してアップ

しました。

【参考】

<『ドブ恋9』(2018年5月)のレビュー>

https://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12376595257.html

 

 

……ということで、今回は、俳優座さんの『首のない

カマキリ』の方のレビューを、お届けします。

ただし、このお芝居は、6月3日(日)まで絶賛公演中

ですので、そういった点を配慮してのレビューとさせ

ていただきます。

 

 

 

 

■ 『首のないカマキリ』

(劇団俳優座公演 No.336)

(脚本 横山拓也(iaku))

(演出 眞鍋卓嗣(劇団俳優座))
 

【2018年度観劇通し番号 No.7】
【2018年度上半期観劇通し番号 No.7】
【2018年観劇通し番号 No.34】
【鑑賞日時 2018年5月19日14:03-15:50】
【チケット代金(出演者を通しての予約) 4,700円】
(於 劇団俳優座5階稽古場)
 

【評価】
☆☆☆ と ☆☆☆☆ の 間
*****************************
【評価】<その基準は以下の通りです>

☆☆☆☆☆
=このお芝居を観て3秒後に急死してもわが人生に悔いなし
☆☆☆☆
=「あの作品良かったなぁ~」と、折にふれて反芻したくなる
☆☆☆
=チケット代分くらいは十分楽しませてもらいましたよ
☆☆
=チケット代、半額でいいんじゃねぇ?!

=チケット代と上演時間分の私の人生を返してくれ! ケッ!
*****************************

【短評のつもりが長くなりましたが……】
(1)

今回は、まず、「総評」を書きたいと思います。

ご用とお急ぎの方は、この(1)だけを読んでいただけ

れば、十分でございます(^_-)-☆。

 

<総評1>

私は「暦年」単位ではなく「年度」単位で、秀逸な舞台

のマイランキングを発表しています。

(ちなみに、一番最近のものとしては、2018年の4月に、

2017年度下半期のランキングを発表しました。)

【参考】

<2017年度下半期マイベストステージランキング>

https://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12367488238.html

 

 

で、この『首のないカマキリ』は、2018年度上半期ラン

キングをこれから選定するにあたって、とりあえず、

ランクインする候補作として残したいと思いました(^人^)。

 

<総評2>

日本の演劇史に大きな足跡を残してきた、伝統ある

劇団である俳優座さんの公演ですので、やはり、お

芝居の創り全般に、気品と丁寧な仕事ぶりが感じら

れました。

 

<総評3>

横山拓也氏(iaku)の脚本が秀逸です。

どう秀逸かについて、以下、述べます。

 

(a)

ものすごく多くの要素が詰め込まれている戯曲にも

かかわらず、観客の脳内世界を混乱させず、結局

はスッキリと終演までお芝居を進行させていました。

 

(b)

具体的には、骨髄バンク、HLA型のフルマッチ、臍帯

血バンク、カーティー(CAR-T)療法、HIV、献体……

といったような医学関係の用語が飛び交い、そこに、

どこの家庭にもあるような、下世話でありながらそれ

なりに深刻な家族関係の悩みが絡み、かつ、学校と

いう組織が抱える体質等についてまで枝葉が広げら

れ……という”拡散”具合だったんですよ(^▽^;)。

 

が! この小カオス(笑)を、劇作家の強引かつ独り善

がりの手法では全くなく、あたかも「う~ん、これなら納

得できる」と感じさせるマイクロチップを、観客全員の意

識レベルに埋め込んだかのように(笑)、気持ちよく収斂

させてくれました。

 

マイベストステージランキングに、<脚本賞部門>は

ないのですが、この部門を新設するとしたら、間違い

なく有力候補作となるでしょう(o^-')b。

 

<総評4>

この家族は森坂家と言うのですが、実質的な主人公

である、高校3年生の次女・森坂奈緒役を演じた後藤

佑里奈さん(俳優座準劇団員)の芯の通った演技に、

最初から最後まで魅せられました:*:・( ̄∀ ̄)・:*:。

 

以上が<総評>です(^人^)。

お急ぎの方は、ここでサヨナラしてくださいませ(^_-)-☆。

 

(2)

では、まだお時間がある方は、以下、<総評4>を中心

に、<総評3>と絡めてもう少し掘り下げますので、もう

少しおつきあいください。

 

○<総評4>を、もう少し掘り下げると……

後藤佑里奈さんは、童顔でかつ可憐な容姿の若手俳

優です。美少女系の容姿と言ってもいいでしょう。

なので、女子高生を演じるという意味では、ルックス的

には元々アドバンテージを有しています。制服も全く違

和感がありませんでしたし……。

ただ、もちろん、このアドバンテージだけで、実質的な

主役が務まるわけがありません。

 

佑里奈さん演じる奈緒は、小学生の頃、姉の理恵と一

緒にカマキリの交尾を見ました。メスに食べられ頭部を

失いながらも、オスのカマキリは交尾を続けている……

という光景でした。

姉はその感想を絵日記に、「命の神秘」といった観点か

ら綴りましたが、奈緒は、「そこまでして命を育もうとする

のは下品」という旨を記しました。

つまり、この作品の重要なモチーフとなる「首のないカマ

キリ」エピソードからして、奈緒の(子どもにしては)かな

りシニカルな視点、透徹した現実主義的な視点、非情緒

主義的な視点……等々が、窺えますよね(゚Ω゚;)。

 

さらに思春期真っ直中(まっただなか)の今は、論理的

整合性至上主義とでも言いましょうか、他人(家族も含

む)を評価したり、批判したり、追及したりする際の価値

基準のほぼ全てが、「理屈」とか「ロジック」になっていま

した。

つまり、奈緒なりに理屈の通らない他者の行動に対して

は、たとえその対象が家族であっても、まるで”糾弾”に

近いような言動を浴びせてしまうわけです( ̄□ ̄;)。

 

私は今は、違う種別の学校で管理職をしていますが、

それまでのウン十年は高校教員をしていましたので、

奈緒タイプの女子高生が一定数いることは、体験的に

熟知しています。

こういった「内面」まで舞台上にクッキリ描き出していた

ので、俳優後藤佑里奈の演技を「芯が通っている」と、

評価させていただいたわけです(^人^)。

 

☆佑里奈さん、見事な演技でした☆。

(なお、一つだけ笑い話的な蛇足を書かせてください。

後藤さんの制服姿に違和感がないことは上述しました

が、スカートから覗く膝小僧の”質感”(笑)も、リアル女

子高生でしたよ(^o^)。文字通り蛇足ですが(^_-)-☆…。)

 

 

○<総評3>を、もう少し掘り下げると……

とにかくよくできた脚本でした。

 

例えば、理恵と奈緒の母親である美幸(奈緒と共に主

人公的位置付けですが…)と、美幸の叔父(生涯独身

で70歳になるフーテンの寅さん的キャラ)の二人の対

話シーンを節目節目で挿入して、狂言廻しとする工夫。

 

奈緒自身のロジックのみで突っ走ってしまったアクショ

ンに対する学校サイドの困惑ぶり。学校サイドのロジッ

クと奈緒のロジックの狭間で、でも何とか奈緒の行動

を結実させてあげようとする担任教師の”地味な奮闘

ぶり”。

高校教師ウン十年のワタクシが、太鼓判を押してさし

あげましょうо(ж>▽<)y ☆。

「これら一連の場面に関しては、抜群のリアリティーで、

ホントよく書けています!」と。

 

そして、この騒動のなかで、奈緒の父親が担任教師に

対して、娘の行動を支持する観点から、見事な正論を

展開します。

自分以外の他者(家族も含む)に対していつも厳しい

奈緒ちゃんでも、これは絶対、お父さんのことを見直し

ますってヘ(゚∀゚*)ノ……。

 

ことほどさように、横山拓也氏の脚本は、観客全員を

スッキリと納得させる手練れの収斂技法が、実に実に

見事でございました:*:・( ̄∀ ̄)・:*:。

 

まだ絶賛公演中の舞台ですので、レビューの方は

この辺で終わらせていただきます。

 

 

■ ☆後藤佑里奈さんの画像です☆

 

IMG_20170317_103823.JPG

この画像自体は、2017年3月16日に撮影したものです。

 

 

俳優座5階稽古場の出口付近は狭く、他の観客

のご迷惑にもなりますので、当日の面会時画像

の撮影は控えさせていただきました。

 

……ということで、『ムーランルージュ(B組)』(俳

優座演劇研究所26期27期修了公演)の観劇時

に撮らせていただいた、後藤佑里奈さんの画像

を、ここでは掲載させていただきました。

1年以上前の画像ですが、佑里奈さんの雰囲気

は、今もあまり変わっていません(*^.^*)。

 

ともあれ、素晴らしい演技をありがとうございまし

た(≧∇≦)。

 

俳優座とか文学座とかの公演になると、やはり

下北沢等の小劇場での公演よりはチケット代が

高額となりますので、どうしても敬遠しちゃって

ました。

でも、こんな佳作舞台を観させていただいたわけ

ですから、これからは、俳優座さんの公演にもで

きるだけ足を運びたいと思います。

 

後藤佑里奈さんの面会時のご丁寧な対応に、改

めて感謝申し上げます。

 

 

【参考】

[後藤佑里奈さん出演舞台に関する過去の記事]

<『僕の東京日記』(2016年3月)のレビュー>

https://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12137228843.html

(面会時画像はありませんが、後藤さんの演技について

ふれました。)

<『リア王(QUEENバージョン)』(2016年7月)のレビュー>

https://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12186492426.html

(面会時画像はありませんが、同じく後藤さんの演技につ

いてふれました。)

<『ムーランルージュ(A組)・(B組)』(2017年3月)のレビュー>

https://ameblo.jp/hitoe-eri/entry-12261258130.html

(このレビューでやっと後藤さんの面会時画像を掲載させ

ていただきました。ただし単独レビューではありません。)

 

 

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