長い間、目を閉じていたようだ。
それに足がしびれている。
いすに座って、手を肘掛からブランと落とし。
足を組んで、頭は背もたれにゆだねて天井を見つめる。
広い部屋だ。
家具はあるが、しばらく家主はそれらを使うことなくここを去ったようだ。
頭を戻して後頭部に鈍い痛みが走る。
いてて…
オイ
オイお前
誰かが呼ぶ、低い男の声がする。
足元に、いつの間にか灰色の短い毛にくるまれた
透明に近い茶色の目をした猫がいた。
じっと目を見ているとまた
オイお前ここは初めてだろ
案内してやるからついて来い
猫が言った。
信じる、信じないの世界じゃないな、と
一瞬にして「感じた」私は
いすからよいしょと立ち上がって
窓側の反対、部屋の扉へ向かう
猫の姿を追うことにした。