口の中がもぞもぞする。何がおるのか舌で様子を見る。舐める。



なんと毛糸が出てきたではないか。

口の中から端を出して、ツルツル引くとそろそろ出てくる。


色は黄色から始まってだいだい、赤、紫、青、緑、黄色…と連なっている。



まだでる、まだでると 引っ張り続け 手繰り寄せた毛糸の山が、自分のつま先をちょうど隠すとき、端が出た。


ポンっと最後を引くと心と気分がぱあっと晴れゆくようだった。


なんだ、そういう事だったのか。


わたしは急いで靴箱へ走り、隠し持ったへそくりを握りしめ表へ飛び出した。