東西に走る 交差点の信号だけでも もう
5回は人の流れを変えている。
買いたての傘 黒と白のドットのやつに
ぼたぼた
可愛げの無い音を立てて
雨粒をが落ちる
雨なんだし。張り切ったレインブーツにもしっかり
ぼたぼたの雨の音。
違う 違う 決して 雨を楽しむために此処にいるんでなく。
傘を忘れた彼氏を駅まで迎えに来ているわけでもなく。(だったらもっと浮き足立つよ)
家の前 一番大きい通りで
いつまで待っても来ない合格通知を待っている。
しかしよく降るなあなんて
口にだしてみたところで
単車の音には反応してしまう悲しさ。
うーん
しかしまあ退屈しない雨だ
と
ふと目を上げると自転車に乗ったおじさんが 交差点の向こう
赤信号を止まろうと
よろよろと視界に入り込む
何か起こると感じた瞬間 スローモーションで自転車が
斜めに
傾いて
同時に
おじさんの傘が あらぬ方向を向いて舞い上がる
あああー!と
思わず声を上げた瞬間に 携帯の着信音 と から回る車輪の音
勢いで 電話に出て 危ない!
電話口で言ってどうする
母親がバカねあんた 郵便受けに分厚い封筒来てるわよと笑う
ははははは
思わず出たのは笑い声
きっとおじさんはびっくりしただろうねえ
しばらくそこで
とても真剣に笑いこける姿を見て。