甘い飲み物

バスからいつも、あの喫茶店が見えていた。 角を曲がる手前にある。

家で飲むのと格段においしいココアを飲めるところ、と 幼いながらに思っていた。それはいわゆる父親と月に一回会う日、だったのだが一緒に住んだ事のない人の近況より、
見たことないゴージャスなカップに入ったウィンナーココアが私を虜にしていた。

ココアに興味が薄れ、男性に対して過敏になった思春期にその習慣は一時期途切れ、今では違う形となったのだが。

父親に会いに行く道すがら、窓越しの喫茶店を見た後に初めてウィンナーココアの話をしたらとなりの彼氏は
ミオが父親の話をするのは珍しいね、と
優しい顔して言うから癪に触って、それしか思い出がないのよ。と
言ったのにも関わらずさらに優しい顔して笑うから、
言うんじゃなかったとちょっと反省した。

彼氏は父親に似てる、と彼氏は自分で言う。
これからそれははっきりする事だから、今は考えないでおこう。 それから今度3人でウィンナーココアを飲みたいな、と思った。