夜中三時くらいやったかのぉ、マ ユミはとうに寝てしもうてわしは夢とウツツを行ったり来たりしよったんや。
わしはマユミの丸い背中に生える、金色の産毛をぼんやり眺めとった。月明かりにうっすら浮かぶ汗と、マユミの背中が少しずつ動いて息をしとるんが、なんやものすごう安心しよったんを覚えとる。
ちょっとの間、眠りについとったみたいで、なんや暑もないのにわしは背中に汗をかいとったんや。あばらを縦に流れる滴の緩さにはっとして目を上げたら、背中に絶対誰かおったんや。
ただならぬ気が、部屋の一部から渦巻いとる。
わしは振りほどくように、勢いよお体をひねって振り向いたんや。
したらな、おじいがな、おったんや。
おじいに間違いないと思うんや。
しばらく目があっていたけれど、気い付いたら壁の方へ分からんように消えてった。
不思議にこわともなんとも思わなんだ。びっくりさせよって、とは口走ってしもうたがなぁ。
その日の昼や、工場の売却が決まったんは。
これで借金が少しでものうなるなぁ、嬉しいなぁ、言うて、普段やったら飲まへんマユミが昼間っから赤い顔して喜んどった。
おじいが夢枕に出よう話をしよったら、マユミはまたニコニコしておじいも心配やったんやわぁ、そやわぁ、言うて笑とった。
もう人もあんまり住みよらんような街やけど、願って願って祈って祈って走り回って擦り切れて、一生懸命やっとったらどないかなるもんかもしれへんなぁ。
わしはマユミの丸い背中に生える、金色の産毛をぼんやり眺めとった。月明かりにうっすら浮かぶ汗と、マユミの背中が少しずつ動いて息をしとるんが、なんやものすごう安心しよったんを覚えとる。
ちょっとの間、眠りについとったみたいで、なんや暑もないのにわしは背中に汗をかいとったんや。あばらを縦に流れる滴の緩さにはっとして目を上げたら、背中に絶対誰かおったんや。
ただならぬ気が、部屋の一部から渦巻いとる。
わしは振りほどくように、勢いよお体をひねって振り向いたんや。
したらな、おじいがな、おったんや。
おじいに間違いないと思うんや。
しばらく目があっていたけれど、気い付いたら壁の方へ分からんように消えてった。
不思議にこわともなんとも思わなんだ。びっくりさせよって、とは口走ってしもうたがなぁ。
その日の昼や、工場の売却が決まったんは。
これで借金が少しでものうなるなぁ、嬉しいなぁ、言うて、普段やったら飲まへんマユミが昼間っから赤い顔して喜んどった。
おじいが夢枕に出よう話をしよったら、マユミはまたニコニコしておじいも心配やったんやわぁ、そやわぁ、言うて笑とった。
もう人もあんまり住みよらんような街やけど、願って願って祈って祈って走り回って擦り切れて、一生懸命やっとったらどないかなるもんかもしれへんなぁ。