【舞台観賞】「サリー【s'aeli】」(アフリカ座FESTA/u-you.company) | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

※2/20~2/23公演。既に公演は終了しています。

これまでのあらすじ(笑)

2月下旬……同時期に二人の女優から舞台のお誘いをもらった大石。
どちらも贔屓にしている女優で、断りを入れるのは忍びない……。
しかし繁忙期でなかなか休みが取れない。取れた休みは僅か一日……。

しかし会場は隣同士だった。
そこで大石は考えた……。

「一日で二公演観ればいい」と(笑)

懐が寒い時期だが、果たして二本の舞台を大石を無事観る事は出来たのか……。



……なんてどうでもいいあらすじですが(笑)

そんな訳で前回はマチネで拝見したCAPTAIN CHIMPANZEEさんの「ピノキオショー」の観劇レポートでしたが、今回はソワレの観劇レポートになります。
ソワレで拝見したのは「サリー【s'aeli】」という作品です。
ちなみにカタカナ表記の隣は英語の発音の表記ですね。だけどsの隣が機種によっては見れないかもしれません。
「ae」の合体したものだと思ってください。

さてこの作品ですが「アフリカ座FESTA」と銘打って公演されています。
実はほぼダブルキャストの作品なのですが、「VIVID COLOR VS u-you.company」となっております。

「VIVID COLOR」は元、現役のAV女優たちによる演劇集団。
一方「u-you.company」はアフリカ座にも所属する杉山夕嬢が主宰する団体と考えてください。

つまり同じ脚本を同じルーツを持つ二つの集団が演じる訳です。
だから「VIVID COLOR VS u-you.company」なんですね。

さてそんな自分は……エロ親父な自分なので、VIVID COLORのバージョンで行ったと思うでしょ?(爆)
でも残念ながらVIVID COLORには面識のある出演者がいません(笑)お世話になった事もありません(爆)
……という事で私のお目当てが出演しているu-you.companyバージョンを拝見しました。

u-you.companyは昨年6月に一度、下北沢で上演された「MASTER IDOL」以来になります。
顔と名前は認識していなくても、知っている方はチラホラいるので期待しながらお伺いしました。

会場は池袋・シアターグリーンのBIG TREE BOX。
さて会場を入り、劇場へと向かうのですが……会場案内をしている方が皆、背広(笑)
あぁ……黒服だぁ(笑)
その前の週は法被を着た威勢のいい兄ちゃんたちに出迎えられたのになぁ……なんて思いつつ着席。

舞台の上にミラーボールが回る中、のんびりしていたら会場時間。
u-you.companyやその他諸々を代表して(笑)杉山夕嬢の挨拶が終わり、いよいよ本編です。

公演終了につきネタバレ有のあらすじ。



時は昭和34年(1959年)……今上天皇が皇太子として「世紀のご成婚」が世間を賑わせた、もはや戦後から復興しようとする時代……。
一件のキャバレー[ハイドレンジア]には、個性豊かな踊り子たちが揃っていた。

来る日も笑い話、時には喧嘩に明け暮れつつも、それでも「幕が上がらない舞台は無い」と信じて、毎日勤しんでいた。
しかし……ある日、突然持ち上がった閉店の話……。
バラバラになりかける踊り子達。

だがそこで起きる不思議な出会い……。
その出会いは未来と過去をつなぐ不思議な縁だった……。

やがて物語は55年後……平成26年(2014年)の……閉店間際のキャバレーの物語と交錯して紡がれていく……。

これは一つのキャバレーを舞台に、過去と現在を描いた、踊り子達の物語である……。



あらすじが難しい作品だけど、まぁこんな感じかと。
まず作品のタイトルにもなっているサリー(四宮由佳・以下敬称略)の存在が最初は不思議で仕方なかった。
冒頭のダンスシーンから途中まで違和感を感じなかったんだけど、途中から感じる違和感……。
最初は幽霊物と想像していたけど、どうも違う。
途中からタイムスリップ物を予想したけど、半分正解。
その正体は未来(我々から見れば現代)からやってきた踊り子だった……という展開にたどり着くまでは、本当に変な話、推理という面で楽しませてもらいました。

だけどこのサリーがどうして過去にやってこれたのか?
そして過去で唯一、彼女を見る事が出来たのがすーたん(山元彩)だったのか?
その辺の伏線は一切、回収されていない。むしろ途中から放置(笑)

過去におけるサリーの存在は言ってしまえば、過去の物語を語る上でのスパイスの役割。
サリーには、サリーで現代の物語がきちんと本線で残っている。

こうして物語の中盤からは過去と現代と二つの時代で物語が並行していく。
そして終盤に魅せる華麗なるダンスの数々……。
これが本当にきれいだった。

ただ過去の物語と、現代の物語、迎える結末は違うもののはずなのに、最後はその二つの時代が融合していく様……。
舞台の上で舞う、14人の女優達の魅せる華麗な世界に酔いしれてしまいました。

物語を楽しむタイプの舞台ではなく、彼女達が魅せる世界を楽しむタイプの舞台。
それ故、ダブルキャストがは元、現役のAV女優たちによる「VIVID COLOR」だったのか……そう思うと合点のいく内容です。

上演時間は1時間40分。
適度な上映時間で観る者を満足させてくれました。
ただ個人的にはチケットの料金が高いのがね(汗)
下世話な話ですが、これでチケット料金があと500円安ければ、満足度はもっと高かったかもしれませんね。



さて印象に残った出演者でも……。

真っ先に挙げさせて下さい。山元彩嬢。
今回、彼女が演じたすーたんというダンサーはいわばお笑いポジション。
もうメチャクチャ笑わせてもらいましたよ(笑)昨年10月の「ウイルス・ミス」の時と同じくらいね(笑)
だけど……きれいな娘なんですよ(照)
顔だけだったら、間違いなく好み(爆)前回の舞台は前髪を上げていたから気づかなかったけど、前髪おろしたら……(照)
後半、ダンサーの衣装に着替えた後のきれいさにも驚かされる。
美人が三枚目を演じたらこうなる典型例(笑)
勿体無いような気もするけど(笑)だけどきれいな事を鼻にかけないで、コミカルなところを演じきる山元嬢。今回でファンになっちゃったかもしれません……(照)

続いてオウジを演じた結城リナ嬢。
彼女の演じたオウジはダンサーなんだけど、歌い手を目指すという役柄。
実は今回のダブルキャストの中でも唯一、両方の舞台で同じ役をこなすシングルキャスト。
それもそのはず。彼女自身本業の歌手だから。
ところどころ彼女の歌に合わせて出演者が踊るのだけど、それがキーになっている場面多数。
ラストシーンも彼女なくしては完成しなかった。
だけど一番驚いたのは、昨年6月「MASTER IDOL」でも拝見していたのだけど、途中まで同じ人とは気づかなかった点。
それだけ演技に入り込んでいた。「MASTER IDOL」とは全く違う役どころだったとは言え、演じきった彼女が凄いと思う訳です。

他にもやはり主役のサリーを演じた四宮由佳嬢も全編通して印象は深い。
一条を演じた葛城七穂嬢のリーダー格としての存在感は圧倒された。

さて最後に今回のお目当て、國崎馨嬢。
彼女が演じたのは春蘭丸というダンサー。
歯に衣きせぬ発言が多いずけずけ物をいうタイプなんだけど……。
立っているだけでも存在感があるし、華があるんだよね……彼女。
相変わらず台詞を発する時は(女性だけど)カッコイイし、凄い聞き取りやすい。
一番の見せ場は中盤での長台詞。
あそこが春蘭丸を語る上では欠かせないシーン。また物語においても一つのターニングポイントになるシーン。
はっきりと時間は計っていないけど……あの台詞、相当長かったよ(汗)3分くらいしゃべり倒しじゃなかったか!?
とにかくこの時間だけは「蘭丸のターン」ですよ(笑)
このシーンをキッカケに物語全体、そして蘭丸という登場人物にも心情の変化が徐々に現れるという……。
その辺りの表現もさりげないんだけど、非常に出し方がうまいと思います。
馨嬢、きれいなんだけど、棘みたいな刺激もある……相変わらずいい役者だなぁ……と思った訳です。
終演後で丁寧に挨拶しに来てくれる時のかわいらしさを観ていると、余計にそう思う次第です。



そんな訳で今回、時間の都合上「VIVID COLOR」バージョンは拝見出来ませんでしたが、「u-you.company」バージョン楽しませていただきました。
これからも機会あれば、是非拝見したいです。

「華がそこにあるだけで、男はそれに酔いしれる事が出来る」

そんな事思いながら、この日は帰路につきました。
14人の女優たちという華に思いを寄せて……。