翌日わたしは彼に連れられて3,40分ドライブし、なんだか立派な建てものの駐車場に車を留めた。
わたしはてっきり高級レストランにでも来たのかと思って中に入ってみると、そこは宝石店だった。
昨日の今日にしてまさか婚約指輪を買いに来ると思っていなかったが、実はわたしがアトランタに来るずっと前からこの日ここに来ることは決めていたのだと後から彼に知らされた。ところが、わたしが準備ができてないなんて言ったものだから予定を変更しようと考えていたようだが、昨日の午後に準備OKのサインを出したので、予定を決行することになったのだ。
いままで婚約指輪はサプライズよりも自分で選びたいと思っていたわたしだったので、ここに連れてきてもらえること自体がわたしにとってサプライズだった。
好きなものを選んでいいよ、と言われ、わたしはその日のうちに一番好きなデザインの指輪を見つて、彼はその指輪を購入した。アメリカの宝石店は値段が表示されていないのだ。きっと男性が女性と一緒に選ぶ時に女性に知られたくないというものからなんだろう。そのため、指輪がいくらだったのかは未だに知らないわたしである。
その日は土台だけ選んで、ダイヤは後に彼が選ぶことになった。
帰り道、
「今はできないけれど、君のお父さんに了解を得てから君に質問させてね。」
と彼は言った。
約1ヶ月半前に彼が日本を旅していたときに、
「また、いつかこの国に来たい」
と強く心に思ったそうだが、まさかそれから3ヶ月のうちにまた日本に来ることになるとは思っても見なかったことだろう。
そう、わたしがアトランタを後にして約1ヵ月後に彼は日本にくることになったのだ。
(続く)