人は道に迷います。
だから、忘れないように、
間違えないように、
自分の歩いてきた道に何かを残していくのです。


大学生の頃の話です。
友達のアホナミ君が、女の子を紹介してもらうということで、ついてきてと頼まれ、
一緒に飲みに行きました。

居酒屋で、アホが2匹いると言わんばかりに
たくさんお酒を飲んだ僕とアホナミ君。

途中から何を喋ったか
全く覚えてない僕とアホナミ君。

そんな楽しい席も終わりを迎えます。


お店を出るときの事は覚えているのです。
お店を出る前に、アホ山君から電話がかかってきました。

「今みんなでウチで飲んでるから2人で来なよー」
アホナミ君と向かうことにしました。

店を出てからの記憶が一切ございません。
アホ山君の家で飲んだ景色が
わずかばかりに残ってるだけです。

朝になると、僕は自分の家で目覚めました。
ひどい二日酔い。
何故か全裸。
キャベツの芯。

キャベツの芯?


何故か枕元にキャベツの芯が置いてあります。
とりあえず、はだかで考えるのもアレなんで、
服を着ようと思いました。
脱ぎ散らかした服を拾っていると、
違和感に気づきます。(まだ全裸)

「アレ?財布がない!」

財布はズボンのポッケに入ってるはず。(靴下だけ履いた)


急いで服を着て、アホ山の家に向かいます。
アホ山の家に着くと、酒臭い部屋に
5、6人のアホ共が横たわっていました。
アホ山を起こし、財布がアホ山の家にあることを聞いて、一安心。
そこでアホ山が僕に言います。
「お前さー、おかげでお好み焼きができねーじゃねーかよー」


???


そうです。
アホ山はその名の通りアホなんです。
不憫なアホ山に、僕は優しく答えました。
「どうしたんだい?(ジェントル!)」
聞くところによると、
昨晩酔っ払った僕は、
アホ山の冷蔵庫を開け、
キャベツ半玉を見つけると、
それを奪い、
脱兎の如く家に帰っていったそうです。


!!

そういえば、朝、アホ山の家に向かう時、
一口大にちぎられたキャベツが、
僕とアホ山の家をつなぐ道しるべのように、
道に落ちてた!

どうやら酔っ払った僕は
アホ山のキャベツを奪うだけでは飽きたらず、
山に捨てられたヘンゼルとグレーテルのように、
キャベツをちぎりながら歩いて帰ったようです。

それで枕元にキャベツの芯が!

謎を全て解決した僕は、
晴れ晴れとした気持ちで、
「知るかっ」
とアホ山を蹴飛ばすのでした。


◎今日の一口メモ◎
アホ山君は一発芸で、
自分のおちんちんをフライパンで
炒めた事があるほどアホだよ!