ヴィネットとしてとても良い感じだったので作ってみたいと思ったファインモールドのキット、〝スタジオ ジブリ ヴィネットコレクションNo.1 アジトのポルコ〟。
ジブリ作品の〝紅の豚〟より、作品冒頭でポルコがアジトの浜辺で海軍からの依頼の電話を受けるシーンを再現したキット。
…いや、〝再現〟ではなく〝イメージ〟したキットと言った方が良いだろう。
と言うのも、ヴィネットとしての構図は素晴らしいが、実際の作品映像とは違ったところが多々あるからだ。
これがボックスアートの完成写真。
大昔に雑誌の懸賞で当たった紅の豚のDVDを観て確認する。
イメージされているのはこのシーン。
キットでは線の繋がっていないラジオとワインボトルとグラスしかないが、作品内では見ての通りマッチとタバコの吸い殻、食べかけのリンゴにスプーンまである。
テーブル脇のバケツは、取手を繋ぐプレートが有るタイプ。
一番の違いはここ。
ポルコは電話機を砂の上に置いたまま左手で受話器を持って通話している。
そして、テーブルを足で引き寄せた時にワインボトルは倒れてテーブルから落っこちる。
その後、右手で顔に載せていた映画雑誌をどけて顔を見せるのだ。
つまりポルコの左側に落ちた雑誌も不自然であり、もしこの後にポルコが受話器を右手に持ち替えたのだとしても、その時にワインボトルがテーブル上に有るのはおかしい、と言う事だ。
だが、海洋堂も製作協力しているこのキット、先にも言った様にヴィネットとしてのデザインは素晴らしく、全くそのまま映画の1シーンとして確かに其処に有るが如き存在感。
ディテール的に不自然な所さえ改造すれば、更に美しい立体造形物になるだろう。
と言うか、どうしても修正しないと我慢出来ない所は数ヶ所確認しているので、其処だけは手を入れて行きたいと思っている。