三谷幸喜脚本による、演劇集団東京サンシャイン・ボーイズの同名舞台を映画化した作品です。もし日本にも陪審員制度があったらという仮定に基づいて、ある殺人事件の審議に奮闘する12人の陪審員の姿をユーモラスに描いています。脚本は三谷幸喜。監督はの中原俊。撮影監督は「風の国」の高間賢治がそれぞれ担当。出演は、塩見三省、相島一之、梶原善、豊川悦司、その他。

マイライフ・アズ・ア・ひっち

ヘンリー・フォンダー主演の12人の怒れる男のパロディーでもあります。こちらは名作中の名作。
マイライフ・アズ・ア・ひっち
ある殺人事件の審議のために12人の陪審員が集められた。ここに来た12人は、職業も年齢もバラバラな無作為に選ばれた人々。被告人が若くて美人だったことから審議は概ね無罪で始まり、すぐ終わるかに見えたのですが、討論好きの一人が無罪の根拠を一人一人に問い詰めたことから、審議は意外な展開へ。有罪派と無罪派と分裂、さらに陪審員達の感情までもが入り乱れ、被告人が有罪の線が強くなっていきます。ところがその時、他の者から浮いていた一人の男性が事件の謎解きを推測し始め、それによって事件の新たなる真実が判明する。そして事態はまたまた逆転し・・・


モーツァルトのソナチネ、ソナタの調べに乗って議論が始まり、山あり谷ありの議論が続きます。初めは早く帰ることばかり考えていた陪審員たちが、だんだんと各自の考えを述べ始め、議論は白熱していきます。12人の陪審員のキャラクターが非常におもしろくて、三谷幸喜お得意の伏線を張った笑いや、爆笑してしまうおふざけも交って、議論が続きます。最後の謎の解き明かし部分は、後年の古畑シリーズを思い出すような仕掛けが満載。コメディーとしても、人間劇としても、非常に楽しめる作品です。