退屈な町で不安定に生きる女の子を描いた青春映画です。

マイライフ・アズ・ア・ひっち
監督・脚本は「クラム」のテリー・ツワイゴフ。原作はダニエル・クロウズの同名人気コミック。

出演は「アメリカン・ビューティ」のソーラ・バーチ、「ホーム・アローン3」のスカーレット・ヨハンスン、「アルマゲドン」のスティーヴ・ブシェミ、「ゴールデン・ボーイ」のブラッド・レンフロ、「ビッグ・リボウスキ」のボブ・バラバン、「メッセージ・イン・ア・ボトル」のイリーナ・ダグラスほか、個性派俳優揃いのキャスティング。


まだ10代半ばのスカーレット・ヨハンソンが初々しい、そして、「アメリカン・ビューティ」でも独特の存在感を醸し出していたソーラ・バーチ、ここでも思いきりふてぶてしい生意気な女の子を怪演。ソーラ・バーチの放つオーラに目が釘付けですが、さわやか系スカーレットがいるからこそ

毒々しいソーラ・バーチのオーラが引き立つのでしょう。そして、ソーラ・バーチ、アメリカ人には珍しいなで肩(笑)、黒髪、腰に安定感あり、のルックスなのに、なぜあんなにフェロモンが出ているでしょうか?彼女本人の内面性からにじみ出ているのでしょうか?とにかく色っぽい。


高校を卒業したものの、進路を決めることもなく、不安定な心根のまま遊びほうけているイーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)。おしゃれと絵を描くことが大好きなイーニドは、幼なじみのレベッカと不満をぶつけあいながら青春を送っています。自分が何をしたいのかわからない、ものごとがうまく行かないのはどうして?どうして私はモテナイの?そんな青春期の悩みを抱えて、フラストレーションを溜めこむ毎日です。誰にでも、そんな風に歯車がうまくまわらない青春時代のひとときってありますよね。


ある日、二人は、新聞の出会い広告欄に載っていた中年男シーモア(スティーヴ・ブシェミ)を
からかおうと、彼を呼び出し尾行することを計画します。彼のことが気になったイーニドは、後日、ブルース・レコードのガレージセールを出すシーモアの家を訪ねていつしか親しくなっていきます。

レベッカはカフェで働き始め、仲良しだった2人は、環境の変化が起こる中で次第にすれ違っていきます。青春期に特有のくだらない言い合いと、その後のふてくされた様子が、見ていて馬鹿馬鹿しいような、懐かしいような気分を起こさせます。


一方、イーニドとシーモアは恋仲にまで発展し、肉体関係を持ちますが、その時点でイーニドの気持ちが冷めてしまいます。ショックを受けたシーモアはセラピー通いの日々に。そして大きな決断をしたイーニドは、孤独にバスに乗って・・・・・。


まだ大人になりきれない女の子たちの人生の転機、何も社会を知らず放つ未熟な発言のおかしさ、そしてクルクル移り変わる友情の変化などを、ポップな音楽とキュートなファッション・センスを絡めながら巧みに描き上げています。


コアなファンの多いスティーブ・ブシェミ、ここでもダメ人間を見事に演じきっています。こういうタイプのダメ人間をやらせたらピカ一じゃないでしょうか?ギョロ目とやせ細った体が、肉体も精神も不健康な印象ですから、ルックスからしてダメ人間向き?

マイライフ・アズ・ア・ひっち

ラストシーンのイーニドがバスに乗る場面は思わず涙がホロリ。誰でも、こういう決断をする時があるなぁ、そして、決断をする時には、友人との別れとか、愛した人との別れとか、悲しい出来事が一緒についてきたりするものですね。。。思わず、生意気子娘のイーニドに、エールを送りたくなりました。大丈夫だよと。

マイライフ・アズ・ア・ひっち