都知事選2位の石丸さん、落選後出演したテレビ番組で、少子化の具体策について一夫多妻制とか遺伝子的にこどもを生み出すとかの発言をして、燃え上がっていましたね。

元明石市長が元安芸高田市長に自分の少子化対策とその成果を自慢しながら尋ねる構図でしたが、都会に近くてまだまだ若い方の多い明石市と、地方の中の周辺にあって高齢社会にある安芸高田市の違いがまったく踏まえられていなくて、石丸さんには不利な質問だったように観じました。

そんな安芸高田市では現実的な良策はもはやとれなくて、石丸さん的には、前時代的な発想、SF的な発想しか口に出せなかったということなのかなと思います。

元明石市長さんがされたようなこと、今からでも他の自治体でもやらないよりはやったほうがいいとは思うものの、大幅な回復は厳しそうです。三十年前、二十年前にすべきことがされず、時機を逸してしまったと言われています。

わたしたち団塊ジュニアとそのあとの世代は、氷河期世代にあたります。結婚してこどもを安心して産み育てられる環境が与えられませんでした。

与えられなかったのはどうしてだったんだろうとあらためて不思議に思います。ここの世代が産まなかったら少子化が進んでいくことはわかっていたのに、なにもしなかった、お茶を濁すようなことしかしなかったことには、何か理由があったんじゃないかなと思うのですが、なにも理由がおもいあたらないのです。

積極的理由ではなくて消極的理由だったのかしら。不況で社会に余裕がなくて、少子化はまださきのことだから、問題は先延ばしにしようというただそれだけのこと、目の前のことしか見ていなかっただけのことだったんでしょうか。

団塊ジュニアが積極的に出産する時期は概ね過ぎてしまいました。あとに続く世代もアラフォーからアラフィフへ向かっています。

運良くこどもを得られた家庭ももちろんあって、私自身もその恩恵を賜っています。

女性活躍推進で保育園に入りにくくなって、公立学校の地盤沈下で中学受験が激化して、大学入学定員厳格化で都内私大が難化して、コロナで採用が抑制されてと少子化について実感しにくくなっていた一方で、最近急に子供の数が減っている事実をつきつけられています。

大学受験は易化し、地元私大に進んでいた層が関西関東に流出しているそうです。国家一種試験は易化し、地方国立大や関関同立が霞が関に流れ込んでいるそうです。教員、看護師、保育士なども、リクルート合戦で都会にとられていっているとか。

うちの職場は地方ながらも都会の難関大からの採用がメインだったのですが、地元二番手三番手大学や同業の小さい会社からの転職組が多くを占めるようになるとともに、定着率が下がってきているという話もあります。

そんななか、先輩たちからパワハラまがいにしつけられてきた仕事のやり方、レベルを、若い皆さんに求めることは難しい状況になってきたなと思っています。

こんなふうに地方は高いレベルの進学や就職ができる環境になく、どんなにこどもを産んで育てたとしても、大学進学とともに、都会に行き、働く場としてここへ戻ってくることはないのだろうなと思うのです。寂しいけれども。

こどもを増やす、流出させない、流入させる対策をするというよりも、これからは都市としていかにサイズダウンしていくか、店じまいをしていくのかに、取り組んでいくことになるのかもしれないと、悲観的な気分でいます。

うちの自治体では、人口減少の原因を調べて対策を考え、実行するミッションを担う特別班が設置されたそうです。さて、どんなことが示されるのでしょうか。

自治体が自治体として存在していくためには、構成員を維持していくことが必須ということなんでしょうけど、うちの自治体も石丸さんがかつていた自治体と立ち位置は大して変わらない中、良策がでてくるかどうか、懐疑的です。すみません。