兄弟姉妹の戸籍、取れる?取れない?——実はちょっと複雑なんです。
相続の手続きで、「兄弟姉妹の戸籍って取れるんですか?」というご相談をいただくことがあります。
ふだん、何の理由もなく兄弟姉妹の戸籍を自由に取れるわけではありません。
でも、相続のために必要であれば、請求できる場面があります。
ここは少し誤解されやすいところです。
最近は戸籍の広域交付が始まって、戸籍集めはかなり便利になりました。
本籍地がバラバラでも、本人・配偶者・父母や祖父母などの直系尊属、子や孫などの直系卑属であれば、最寄りの役所の窓口でまとめて請求しやすくなっています。
⚠ ここが大事なポイント
兄弟姉妹は広域交付の対象ではありません。
ですから、兄弟姉妹の戸籍が必要な場合は、今でもその兄弟姉妹の本籍地へ請求することになります。現地へ行くこともありますし、郵送で取り寄せることもあります。
実務では、もうひとつ大事な見方があります。
たとえば、お父様の相続で、相続人がお母様と子3人というケース。
このとき、子が動くと、兄弟姉妹の戸籍は広域交付では取れません。
でも、お母様がマイナンバーカードなどの顔写真付き身分証明書を持っていて、役所の窓口まで行ける状況であれば、お母様にお願いするほうが、相続人関係の戸籍はかなりまとめて取りやすくなります。
お母様は被相続人であるお父様の配偶者ですし、子3人はお母様の直系卑属だからです。
このケースでは、実務上ここがとても大きなポイントです。
つまり、子がそれぞれ動くより、お母様が動けるなら、お母様にお願いしたほうがスムーズなことが多いということですね。
広域交付の注意点
- 本人が役所の窓口へ行く必要がある
- 顔写真付きの本人確認書類が必要
- 郵送や代理人による請求はできない
- 古い戸籍の一部や戸籍の附票などは対象外
ですから、たとえば兄弟姉妹の住所を確認したい場合には、戸籍を取ったあとで、必要に応じて本籍地の役所に戸籍の附票を請求する流れになります。このあたりは、まだ従来どおりの手間が残っています。
便利になった部分はたしかにあります。
でも、兄弟姉妹が関係する相続では、まだ本籍地への請求が必要な場面もあります。
戸籍集めは、やってみると意外と時間がかかるものです。
本籍地が遠かったり、古い戸籍がいくつもあったりすると、それだけで大仕事になることもあります。
そのため、専門家に依頼して進める方も少なくありません。
詳しい整理は、ホームページブログにもまとめています。
→ 戸籍の取得と戸籍広域交付制度|相続で必要な戸籍・集め方・注意点をまとめて整理
「自分のケースではどうなるのだろう」と気になった方は、お気軽にご相談ください。
司法書士 田中康雅

