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糸つむぎ糸
(1)袋真綿50枚がひとつの取引単位
(2)50枚の袋真綿を糸にするまでの時間
(3)凸凹や節のない糸をひけるまでの技術
これらの条件は糸をとる人への負荷である。
今では凸凹のない平らな良い糸をとれるようになったが、
時給では換算できない仕事だ。まず、原料の袋真綿は150枚はものにならない糸で、使い道がない。織れる作業の手前までいけいないようなどうしようもない糸だった。150枚以上作業して、自分なりのコツがつかめた。試行錯誤のすえ、獲得したといえばそれまでだが、原料と道具との関係や理屈がつかめてくるのがこの150枚を超えるあたりだったわけだ。何も考えなかったらもっと無駄にしていただろう。個人差がありさらに向き不向きがある工程だ。
おぼえれば、原料があれば、糸がつくれるという、いざというときの武器になる。
<予備知識> 
手つむぎ糸とは、<手紡ぎ糸><手紬糸>といわれる。ただし<手紡糸>とは、機械によって生産された糸で<てぼうし>という。この<手紡糸>は、本場結城紬産地では、偽物の糸といわれているもので、生産価値、は極めて乏しい。希少価値がない。付加価値もない。よく活字だけで判断すると間違えられている語彙だ。上記の生産レポートは<手紡ぎ糸><手紬糸><手つむぎ糸>の生産のことである。