年末のばたばたとも浮かれた雰囲気とも無縁の我が家です。
ずっと書くのを避けていたけど、今のわんこの状態を書かなきゃいけない。
これはただの自分のための記録です。
わんこが元気だと先月の記事には書いた。
たしかにその時までは元気だった。
ドライフードも自分で食べられるようになってた。
わんこがとっても元気だったのは私が高知に帰ってからのたった10日だけ。
そのうちにぶるぶる震えるようになりごはんもほとんど食べなくなり、CT検査をしてみた結果、癌が全身に転移していることがわかった。
放射線、抗がん剤治療を頑張って乗り切り、あとは良くなるばかりだと微塵も疑ってなかったからショックでショックで…
親に電話で聞かされて丸三日は泣いて過ごした。
すぐに札幌行きの飛行機を取って帰った。
私が高知にいられたのはたった一ヶ月だった。
大好きなあの子を看取るために帰るって事実がしんどくて、こんなに辛い帰省は後にも先にもないでしょうね。
最寄りの駅まで迎えに来てくれた父から「もう上手く歩けない」と聞かされて、より気持ちが落ち込んだ。
後ろ足のリンパに転移してしまって、足が動かせなくなってきているって。
だけど実際にわんこに会ったら、あら思ったより全然歩けてるじゃない!と思ったんだ。
いつものように喜んで尻尾を振って甘えてくれて、これなら全然いいやって、ずっとこのままでいるならいいやってそう思った。
それでももうリードを付けて散歩に行けないのも事実。
わんことのリードをつけたお散歩の思い出は滝野すずらん公園に行った時が最後だった。
青空とコキアの色がとっても綺麗だったんだよね。
リードは付けずにカートに乗せてお散歩に行くことはできた。
うちの子が公園に行くと言うと、お友達わんこがみんな会いに来てくれたんだよ。
チェックのコート着ておめかししたの。
いつもの公園の芝生の上を歩いたのはこの日が最後。
こういう「最後」がどんどん増えていくのが本当に悲しい。
お昼と夜に食べていたごはんもお昼の時間には全然食べなくなった。
それでも夜になると、「なにか食べたい!」という顔をしてたくさんおやつを食べていたね。
だけど、食べる量がだんだん減る。
大好きなアイスも食べなくなる。
食べたいって顔もしなくなる。
今は何をあげてもほとんど食べないから、流動食をシリンジで与えてる。
嫌々ながら飲んでくれるけど、そのうちに飲まなくなってしまうんだろうな。
上手く歩けないながらも、昔から使っていたトイレに律儀に入って用を足していた。
それがトイレの前の廊下でするようになり、今じゃところ構わずどこでもしてしまう。
もうオムツだからどこでしてもいいんだけどね。
私が帰ってきた頃はほとんど普通に歩けていたけど、後ろ足が腫れてくると足を引きずるようになる。
ひどいのは右足だけだったのに、左も腫れてしまう。
ダックスは前足がしっかり太くて後ろ足は割と細い犬種だけど、うちの子は前足より後ろ足の方がずっと大きく太くパンパンに腫れてしまった。
目を離してる間に歩こうとしていたけど、今日はもう無理だった。
後ろ足は二本とも投げ出すようにして、前足だけで進もうとしていた。
後ろ足を支えていないとトイレもできない。
免疫力が低下しているから鼻水がよく出る。
黄色くて変な臭いのする鼻水。
気付いたらあの子の口の中も同じ臭いがするようになってた。
私はこの子の頭の匂いが大好きで、しょっちゅう嗅いでいた。
でももうあの匂いが思い出せない。
犬!って感じのただそれだけの匂いだけど、もう嗅ぐことができないのが悲しくてたまらない。
元気がないから全然吠えなくなった。
前は誰かが出かける度、チャイムが鳴る度に吠えていたのに。
ただ一週間前に一度、チャイムが鳴って掠れた声でわんわん吠えた。
あの子の吠え声を聞くのは最後だったかもしれない。
そして出かけていた家族が帰ってきても喜ばなくなった。
二週間前、年内に美容室に行きたいぜ…と出かけた私が帰ってきたら、足を引きずりながらお迎えしてくれて泣いてしまった。
昨日、野暮用から帰ってきた私をあの子はちらっと見ただけ。
その時にお迎えもあの日が最後だったんだと知る。
毎朝おはようを言うと私の膝に頭を擦り付けて挨拶してくれたのに、ここ数日はない。
いつが最後だったのかわからない。
いやいや、まだしてくれるかもしれないから明日に期待する。
私が帰ってきて一ヶ月半が経ったけど、病状は思ったよりずっと早く進行している。
一ヶ月半の状態でさえ今の私にとっては天国に近いよ。
お外を歩けてたんだもの…
帰ってきたばかりの頃はお風呂や自分の部屋で寝る時には必ず泣いてたんだけど、だんだん泣かなくなってしまった。
完全に現実逃避です。
あの子とのお別れが近いことを全く受け入れてられていない。
現実を見るとメンタルが崩れ落ちるから。
現に今はぼろぼろ泣きながらこれを書いてるよ。
私が札幌に帰る楽しみの95%はこの子に会えることだった。
札幌を離れる時の寂しさの100%はこの子と離れることだった。
この子がいないと、私は帰省したいなんて思わないんじゃないか?
帰ってきても寂しいだけなんじゃないか?
生きていけるか?
この子のいない実家で私は生きていける?
近い未来、この子がいなくなってしまった時の私は今の状態でさえ天国だと思うんだ。
わかってるんだ。
生きていてくれるだけでいい。
それなのに何にもしてあげられなくてごめん。
スタンド使いだったらなー。
クレイジーダイヤモンドが欲しいなー。
グリードアイランドをクリアして大天使の息吹を現実世界に持ち込めたらなー。
バッテラさんの気持ちがよくわかるよ、畜生。
何もできないから大好きだってたくさん言うようにしてる。
あの子の前では絶対泣かない。
頑張ってるあの子の前では泣くもんか。