と言っても全然いい話ではない。

障害児育児による適応障害との診断を受けて、精神科で抗うつ剤を処方され、毎日服用するようになってしばらく経った。

以前は子供(主に長女だけど、次女も妙なこだわりが多いので結構イライラの種ではある)に対してちょっとしたことでイライラしてはぶちギレ、自己嫌悪…の繰り返しだったのが、最近は確かに無闇にイライラしなくなり、穏やかに一日を終えることも増え、抗うつ剤ってすげー!!と思っていたのだけど。


久しぶりに夫が不在で、ワンオペの休日を過ごしてみたら、抗うつ剤の効き目はどこへやら、またちょっとしたことでイライラし、怒声飛び交う一日に逆戻り。

それで気づいたね。私が最近子供達に対して穏やかに接することができていたのは、夫が家にいる時間が増えたからなのだと。

と言っても夫が支えになってくれるからとか、家事育児を分担できるからではない。いや、それも確かにありがたい話なんだけど、最大の要因はそこではない。

夫は私よりも断然気が短く、かつ疲れや空腹、暑さで機嫌も悪くなりがちなので、夫と私が二人いれば先に子供にキレるのはほぼ夫なのだ。

私だってそこそこイラついてても、目の前で夫がぶちギレてると妙に冷静になり、あらあらまあまあ大の大人が障害児に対して何をそんなにぶちギレて、キレても仕方ないじゃん、みたいな悟りモードで接することができるようになる。そう、ある意味夫はもう一人の自分。夫が先にぶちギレてくれるおかげで、私は穏やかな母親でいられる。夫は私の精神安定剤…!


って、この状態も決して望ましいものではないのよね。いくら私が穏やかにしてたって、夫がぶちギレてたら教育上よろしくないし、大の男が子供に声を荒げる姿は見苦しく、外だと人の目も気にかかる。私から夫への好感度も下がる。

なんとかしたいとは思うけど、私がどうこう言うことでもないし、肝心の夫が改善する気にならないことにはどうしようもないんだよなー。

夫は夫で、こんだけぶちギレてる割には長女への愛情はあると言っているので、それならもっと優しく接してあげたらいいのにな。愛情はあるけどすぐキレる父親と、キレはしないが愛情のない母親の組み合わせって、長女にとっては地獄だろうに。せめて夫だけでも愛情たっぷりに接してくれたら長女も安定するかもしれないのに。

でも夫が穏やかな父親になったら今度は私がぶちギレる母親になるわけで、それはそれで私が罪悪感でしんどいのよね。夫はキレても特に後悔も罪悪感もないようなので、キレ役としては夫の方が適任なのかもしれない(いやほんとはキレ役とかじゃなく両親ともキレないのが理想なんだけど)

昭和のお母さん(例・磯野フネ)が「帰ってきたらお父さんに叱ってもらいますからね!」とかなんとか言って父親にキレ役を任せてたのって、自分が優しい母親でいるための処世術だったのかもしれないな。狡い話かもしれないが。


※しかし夫も自分がキレ役・私がなだめ役なのは不服なようで、そっちはいい顔して、俺ばっかり悪者で不公平じゃん…とよく不満を漏らしている。どっちかがキレたらどっちかが逃げ場になるのは子育ての常套手段だぞー!不公平だと思うんならキレずにいるしかないぞー!