私がお薬を飲んでいた理由は
安心したかったからです。
私は、自分は人よりも心が弱く、揺れやすく、だからそれを補強できるものがなくては一人で何もできない、という自分に対するイメージを持っていて、
そのことがいつも不安でした。
私を支える松葉杖として、私はお薬を利用しました。
私の人生でさまざまなチャンスを手にすることができたのは、お薬を飲んで補強しているからだと思いました。
私の一部、とさえ思っていた気がします。
でもその一方で仕事をしていても、大事な人といても、私は薬のおかげでこうしているから、本当はそうではないんだ、というような後ろめたさがありました。
安心するために飲んでいた薬を理由にして不安を抱えていたんです。
私が本当にしたいのは、松葉杖を使って一人で歩くことではなく、安心することだったはず。
そう思ったことが、私がお薬を卒業できた理由のひとつであると思います。そして同時に、自分自身のことを見直すきっかけにもなりました。