人気漫画家・藤田和子さん作画の作品が二作収録されたハーレクインコミックです。
・「億万長者の調教術」
離婚が成立したばかりの若き経営者が主人公の物語です。
その主人公の名前はリチャード・ウェールズ。 この一年間、仕事と離婚調停に忙殺されていたリチャードは、親友兼共同経営者のセバスチャンから一ヶ月の休暇を申し渡されました。
その言葉に従って、彼はポロシーズン真っ最中の避暑地ハンプトンズにやって来ました。
そこで魅力的な女性を見つけます。
その女性の名はキャサリン。
アラブの富豪に雇われた厩務長です。
彼女の馬に乗る美しい姿に魅せられたリチャードは、早速彼女にモーションをかけます。
離婚したばかりで面倒な恋は避けたいけれど、気楽に楽しめる程度ならいいだろうという軽い気持ちで。
しかしキャサリンはリチャードの誘いを拒みました。
それでもリチャードはめげずに、楽しそうに毎日キャサリンをデートに誘ってきます。
そんな日が続き、ついにキャサリンはリチャードの誘導にひっかかって、デートをOKしてしまいました。
困りながらも彼女の心は浮き立ちます。
リチャードは若くてハンサムで有名人なので、誘いをうけて悪い気はしていなかったのです。
そしていざデートすると、彼が飾り気のない素晴らしい男性であることがわかり、二人は結ばれます。 そしてリチャードも気づきます。
キャサリンは浮わついた心で扱ってはいけない女性であると。
しかし休暇は一ヶ月。
いずれリチャードはマンハッタンに戻ります。
そのことを熟知しているキャサリンも一夏の恋と割りきろうとしますが、既に二人は離れがたくふなるほど深く愛しあうようになってしまっていたのです。
キャサリンの父親は優れた馬の調教師でした。
しかし冤罪により、その世界を追われてしまいます。
新天地でやり直しますが、犯罪者としてのレッテルは消えず、彼は絶望してこの世を去りました。
キャサリンはそれ以来一人で、世間の荒波をかいくぐって生きてきた女性でした。
人の噂は75日と言いますが、12年経た今でも彼女は周囲から偏見の目で見られます。
しかしリチャードはキャサリンを僻見することなく、彼女の心の痛みに深く同情します。
人間の本質を見抜く目をもっている男性なのです。
対するキャサリンは、リチャードの心内にある長年のわだかまりを溶かします。
真剣に生きてきた女性だからこそできたことです。
ゲームの駆け引きのように思えた恋愛が、やがて真摯な愛で結ばれていく素敵なラヴストーリーです。
・「恋人はツリーとともに」
本作も離婚したばかりの男性が主人公の物語です。
その男性の名はカール・フォーサイス。
世界的銀行家の御曹子で、自身も辣腕のビジネスマンです。
カールは、自分を育ててくれた叔父の屋敷を守るために愛のない結婚をしましたが、5年で破綻しました。
その彼には忘れられない女性がいました。
ベスという名のカールの屋敷の庭頭の孫娘です。
身分の違いはあるとはいえ、年の近い二人は幼馴染みのように育ち、やがて相思相愛の仲になりました。
カールが19歳のときに二人は結ばれます。
その後、カールは北米へ留学したため、二人は離れ離れになってしまいますが、彼は留学先からベスに手紙を出しました。
しかし彼女からの返事は届きませんでした。
カールは待ち続けましたが、ついに諦め、半ばやけっぱちで周囲に薦められるままに別の女性と結婚してしまいました。
そして離婚が成立したその日にベスと再会したのです。
彼女は以前住んでいたカールの屋敷の管理人用のコテージに、クリスマスの休暇を過ごすためにやって来ていたのです。
七歳になる息子のジェイムズと子守りをしている家から預かった子供のガイとともに。
カールはすぐに気づきました。
ジェイムズが自分の息子であることに。
愛し合いながらも悲しくも長い間すれ違ってしまった二人。
どうしてそうなってしまったのでしょうか。
お互いが自身の心に牽制してしまったからです。
それを純真な子供が打ち破ります。
「好きだから一緒にいたい」という大人にはなかなか言えない素直な言葉を二人の子供が伝えます。
二人のエンジェルが二人を結びつけました。
ハーレクインのお話ですが、珍しく濃厚なラヴシーンはありません。(原作ではあるかもしれませんが)。
クリスマスを舞台に繰り広げられるハートフルなストーリーです。
作画:藤田和子 2016年刊行
「億万長者の調教術」の原作はこちら。↑
著者:イヴォンヌ・リンゼイ
「恋人はツリーとともに」の原作はこちら↑
著者:ダイアナ・ハミルトン


