アイキャッチ。積み上がった議事録・報告書の山が、1本の流れに乗って、きれいな1冊の資料になって出てくる様子

 

「会議が終わるたびに、議事録のまとめで時間が消えていく」と思っていませんか。
「月末は報告書づくりで、本来の仕事が後回しになる」と感じていませんか。
「AIで楽になると聞くけれど、どこから手をつければいいか分からない」と迷っていませんか。

 

なぜ、AIを使っても時間が減らないのか

 

議事録や報告書は、AIに最初に任せる仕事に向いています。毎週・毎月かならず発生し、型がある程度決まっていて、元になるメモがすでに手元にあるからです。

 

それでも時間が減らない会社には、共通する形があります。要約だけ、文章の一部だけをAIに頼んでいるのです。

 

相談の現場でも「会議の録音を渡したら、そのまま資料の形まで作ってほしい」という声を聞きます。欲しいのは要約ではなく、録音から資料までの流れ全体です。前後が手作業のままでは、全体の時間はあまり変わりません。

 

たとえば、録音を文字にする、要点を抜き出す、決まった形に整える、関係者に送る。このうち1か所だけAIにしても、残りの作業を人が毎回やるなら、待ち時間と手間はほとんど残ります。だから最初から「元のメモを集めるところから、できあがった資料を確かめるところまで」を1本として見ることが大切です。

 

1本を最後まで通す4つの手順

 

ここでは、週1回の定例会議の議事録を例にします。特定の会社の話ではなく、進め方のイメージとして読んでください。

 

ステップ1:フォルダを用意する

 

「定例会議_議事録」というフォルダを作り、今回の会議メモ(文字起こしなど)と、過去の議事録を2〜3回分入れます。AIには「この中だけで作業して」と渡します。

 

ステップ2:手順を指示書に書いておく

 

毎回伝えることは、CLAUDE.md(AIが毎回読む指示書)に書いておきます。

 

・見出しは「日時・参加者」「決定事項」「宿題(担当・期限)」「次回の議題」の順
・決まったことと、まだ決まっていないことは分けて書く
・メモにないことは書かない。分からない点は「要確認」と残す

 

ステップ3:計画を出させてから作業させる

 

プランモード(いきなり作業せず、先に計画を出してくれる進め方)を使います。AIが「メモを読み、決定事項と宿題を抜き出し、過去の形にそろえます」と計画を出すので、人が確かめてから作業に入ります。

 

ステップ4:人が確認して仕上げ、直した点を指示書に戻す

 

下書きを人が読み、「要確認」を埋めて完成です。直したところは、次回のために指示書に1行足します。これを繰り返すと、直す手間はだんだん減っていきます。

 

4ステップの流れ図。「フォルダ」→「指示書」→「計画を確認」→「人がレビュー」→完成

 

議事録で1本通れば、同じ考え方で週報、月次報告、提案書のたたき台へと広げられます。

 

相談の現場で聞いた話

 

ここからは、私が相談の現場で聞いた話です。私自身の成果ではありません。誰の話か分からないように、業種や状況は変えています。

 

1本の記録から、何通りもの文書へ

 

教育関係の方との打合せで、まず話を聞き取る時間をとり、その記録を元にAIで文章をまとめる進め方を決めました。別の相談でも、1本の長い記録から、社内向けと社外向けなど複数の文書に作り分ける使い方が話題になりました。

 

元のメモが1つあれば、議事録、報告書、共有用の短い文と、形を変えて使い回せるということです。

 

報告書の「何が言えるか」の下書きにも

 

サービス業の会社で、お客様アンケートの結果をAIに分析させたところ、どんな方が申し込みにつながりにくいかがはっきりした、という話を聞きました。報告書の「数字を並べる」部分だけでなく、「そこから何が言えるか」の下書きにも使える例です。

 

人の気持ちが動く部分は、人に残す

 

人と人をつなぐ仕事の会社では、相手とのやり取りまでAIに任せたところ、話は進むのに、最後の「決める」段階で止まる人が増えたそうです。結論は、下準備はAIに、気持ちを動かす部分は人に、という線引きでした。

 

よくある質問

 

Q. AIがまちがったことを書かないか心配です。
A. 指示書に「メモにないことは書かない」「分からない点は要確認と残す」と書き、最後は必ず人が確かめる流れにしておくのがおすすめです。直したところを指示書に戻せば、同じまちがいは減っていきます。

 

Q. 社外に出す報告書も、全部AIに書かせていいですか?
A. 下書きまではAIに任せて構いません。ただ、相手の気持ちが動く部分、たとえばお礼や最後の一言は人が仕上げてください。相談の現場でも「AIっぽさが前に出ると人は動かない。裏側で使うのがいい」という声を聞きます。

 

Q. 録音や文字起こしがなくても始められますか?
A. 始められます。手元のメモを打ち直したものからでも、下書きづくりは試せます。

 

Q. 会議の録音や文字起こしをAIに渡すとき、何に気をつければいいですか?
A. 録音には、社外の方の発言や、お客様の名前などの個人情報が入っていることがあります。まず、作業用フォルダに「入れるもの」と「入れないもの」を決めておくことをおすすめします。たとえば、社内だけの定例会議のメモは入れる。社外の方が話している録音や、個人情報が多い資料は入れないか、名前を伏せてから入れる。そのうえで、会社として使ってよいAIが決まっていないかも確かめてください。相談の現場でも、使えるAIを会社が決めている例を聞きます。

 

Q. 指示書を書くのが面倒で、続く気がしません。
A. キーボードで長い指示を打つのが負担なら、声で話して指示を作る方法があります。実務でAIを使っている人たちの勉強会でも、音声入力で指示を作り、よく使う指示はひな形として登録しておくと楽になる、という話が出ていました。

 

神谷からの一言

 

私が「一部だけ」ではなく「1本を最後まで通す」順番で教えるのは、つまみ食いの使い方では、仕事が減った実感が残らないからです。

 

それに、AIで浮いた時間を何に使うかも大事だと考えています。議事録を作る時間が減れば、お客様と話す時間や、手書きの一言を添える時間に回せます。AIが広がるほど、人が手をかけた部分の価値は上がっていくと思います。

 

だから来ていただきたいのは、「全部AIにしたい」会社よりも、繰り返しの書類仕事はAIに任せて、人にしかできない仕事に時間を戻したい会社です。

 

議事録や報告書を1本、最後まで通す順番にしているのは、AIに下書きを任せても、確かめて仕上げるところは人に残るからです。相談の現場でも、すべてを任せきりにするのはまだ先だ、という結論をよく聞きます。だからこそ、AIが作り、人が確かめ、直した点を指示書に戻す。この流れを1本通しておけば、回を重ねるほど直す手間が減っていきます。そして、浮いた時間は、人と直接話すことのように、人にしかできない仕事に使ってほしいと思っています。

 

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