現在、芸備線の備中神代-備後庄原間の路線が廃止論争の渦中にあります。とうとう先月には国交省のもとで第一回芸備線再構築会議が開催され、その話が現実味を帯びてきているところです。






 そんな芸備線の廃止協議区間の歴史を見てみますと、備中神代-備後落合間は国鉄三神線として、備後落合-備後庄原間は国鉄庄原線として工事が進められていました。


 昭和11年10月、この三神線の小奴出-備後落合間が開通するとともに、庄原線(備後落合間-備後十日市)が三神線に組み込まれ、三神線が全通しました。

翌年、芸備鉄道の広島-備後十日市間が国有化されて三新線と繋がったことにより、今日にも残る芸備線の名称が誕生したというわけです。



 この度、鉄道省が発行した三神線※全通記念絵葉書を入手したのでご紹介します。

※袋には「三新線」とあり、古い文献でも確かにこの名称の使用が見受けられますが、本ブログでは現在一般的な名称である「三神線」で統一します。




袋の中には絵葉書が7枚入っており、詳細は以下の通りでした。


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○第一小鳥原川橋梁

 こちらの橋は現存しており、廃止協議区間内の備後落合-道後山※間にかけられています。昭和11年に完成し、中国地方一高い鉄橋です。

※道後山駅は昭和11年11月開業であり、本絵葉書撮影時には存在しない。


○土居橋梁

 こちらは備後落合-小奴出間に架けられた橋とのことですが、詳細な位置は不明です。上の第一小鳥原川橋梁からそう遠くないと所だとは思いますが... 

 右手前に広がる水田の風景が風情を感じられて最高ですね。


○帝釈峡(石雲山ト永明寺)

 言わずと知れた備後帝釈峡。大正12年には国指定の名勝となっており、観光地となっていました。

現在も芸備線の東城駅(昭和5年、三神線の駅として開業)からバスが出ているようですね。



○帝釈峡(雄橋)


○道後山ノ雪


道後山は冬になると雪がたくさん積もり、スキー場もあるのですが、ここが広島県内のスキー場第一号と言われています。


○道後山ノ樹氷