横屋猷宛の絵葉書が3枚手に入ったので紹介します。

彼は戦前から戦後にかけて活躍した、岡山県上房郡出身の海洋生物学者。


特にエビやカニといった甲殻類の分野で大きな成果を残したようで、有名な生き物を例に挙げると、ボタンエビ(Pandalus nipponensis Yokoya, 1933)を発見した人でもあります。


【略歴】

明治24年:生誕

大正2年:岡山の第六高等学校卒業

大正5年:東京帝大水産学科卒業。同大学農学部助手となる。それ以降、大学で研究をしながら本の執筆などを行う。

戦後:長崎大学水産学部教授

昭和44年:死去




今回入手した3枚は明治40年頃のものが2枚。あと1枚は消印が不明瞭で読めませんが、明治40年頃なんじゃないかと思います。


略歴と照らし合わせると、これら絵葉書は彼が16歳くらいの時に送られたものになりますね。旧制中学校に通ってたような年齢ですね。



それでは、絵葉書面と通信文の内容を一枚ずつ見ていきます。


○岡山城


月見櫓と天守閣を同じ画角に収めたもの。川崎国旗堂が1907に年発行した絵葉書です。



通信文によると、このハイカラなスタンプは寄宿舎の記念日の余興で作成したものとのこと。これを書いた差出人は岡山中学校の学生だと推測されます。

というのも、この学校の校舎は城郭内にあったし、スタンプの「OMS.B-H」は「Okayama Middle School Boarding-House(岡山中学校寄宿舎)」

だと考えられるから。



○布引雌滝

神戸の布引の滝の絵葉書ですね。


通信文の内容的に、神戸にいた親しい友人から送られたものでしょうね。

「暑いから海水浴行きたかったけど暑すぎてどうにもならない。仕方ないから布引の滝を見に行ったよ」といった内容。


○吉野





吉野に旅行しに行き、そこの「さこや旅館」に宿泊している最中に書いたものでしょうか。差出人が「猷」とのことで、本人が家族・同居人に向けて差し出したものかもしれませんね。



※編集中に一度内容がごそっと消えて萎えたので、省エネ記事です。気が向いたら加筆します。



参考

https://id.ndl.go.jp/auth/ndlna/00327527


https://dl.ndl.go.jp/pid/9545878/1/313


https://dl.ndl.go.jp/pid/3015873/1/617