絵葉書遍歴シリーズ最終回です。
前回、前々回をご覧になっていない方はそちらもどうぞ。
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○2021年
この年からは収集の中心を郷土関連に据え、コツコツと絵葉書を増やしていました。
今でもお世話になっている倉敷の某骨董屋に初めて訪れたのがこの時期。絵葉書を扱う店の中で、一番多く通ってお金も落としてきた店です。
これまでにもちらほら店舗に出向いて絵葉書を購入することはありましたが、絵葉書を大量に置いてある店は発見できていませんでした。
そんな中、少し入りにくい風貌をした倉敷のお店に勇気を出して飛び込んでみると、結構な量の絵葉書が。
自分の手と目を使って絵葉書を漁るのは何事にも変えがたい楽しさがあり、その店には間隔をあけて何度も通い続けることになりました。
初めの頃は岡山関連を狙ってたと記憶しています。購入報告ツイートも残っていますね。
倉敷尋常高等小学校や愛国岡山号の絵葉書といった、かなり珍しいものもありました。
我慢ならなかったので絵葉書も購入。
— おぎ (@history_mmm) 2021年7月25日
津山、児島、戦車の年賀状。そして個人的に1番の掘り出し物な倉敷の尋常高等小学校。 pic.twitter.com/wpPDdiCLAp
で、岡山関連を漁りきった後は美術系を定期的に購入。明治期のものよりは昭和期のものが多めで、珍しいものやデザインが秀逸なものをピックアップして購入し続けています。
以下はその例。
最後に、その店一番の掘り出し物としてこちらを。空母瑞鶴の進水記念絵葉書です。
袋付き2枚入りで、お値段なんと約6000円!
進水記念はここ数年での高騰が著しく手が出せていなかったため、安く入手できて喜びもひとしお。店主さんはこういった軍事系が特に好きらしいです。
他方、この年にはTwitterの方でも大きな動きが。
岡山空襲のツイートが過去一のバズりを見せたのです。
今日は岡山空襲の日。
— おぎ (@history_mmm) 2021年6月29日
これらは全て空襲で焼失した名所です。 pic.twitter.com/u66Sl7Uwiz
NHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」で岡山空襲が描かれた影響だと思われます。
おかげでフォロワーが100人ほど増えました。
このあたりからTwitterの運用にもかなり力を入れるようになり、収集のみならず投稿も趣味の一環となりました。
○2022年
2022年も収集ライフを満喫。この年の特徴は、行動範囲が広がり、他のコレクターとの交流が活発になったことでしょう。
それまでは、県外に出ると言っても広島県東部(福山や尾道)に遊びにいくくらいでした。が、この年からは東京や大阪に泊りがけで遊びに行き、絵葉書を買える郵趣イベント・古本市・骨董市に参加するように。
また、Twitterの方も着実に伸びていき、同じような絵葉書趣味を持つ方との交流も盛んになっていきました。東京や大阪ではTwitterを通じて知り合った方とお会いすることまで叶い、順調な絵葉書ライフを送っていたと言えるでしょう。
ネットで知り合った人とリアルで会うのは人生初の経験でしたが、みなさん優しく、会ってよかったと思っています。
以上を踏まえ、この年に入手した思い入れの深い絵葉書をいくつか紹介。
1.京橋開通記念 協賛会発行
大阪の四天王寺で開かれた古本イベントで入手。
岡山の業者が旧家から出てきたと思われる大量の絵葉書を500円均一で出しており、それを一番乗りで漁って入手したもの。
結構前から僕が参加してる岡山の古本イベントによく出店している店舗が売ってました。
なんで岡山じゃなくて大阪のイベントで一番に持ってきたのか疑問ですが、そのおかげで競争相手が少なく、岡山関連を総取りできました。
(後日岡山で開かれた古本イベントを覗いてみると、この時の売れ残りが出てました笑)
こちらは岡山市の京橋が開通したのを記念するもの。装飾のない写真絵葉書については各所で紹介されていて認知しており、何枚か所持もしているのですが、こういった意匠画によってデザインされたスタイルの記念絵葉書があったというのには驚かされました。
(こういう、写真の周辺を意匠画でデザインした絵葉書を何と呼ぶかは収集家界隈の中でも決まっていません。この状況を打破しようとすると某絵葉書研究団体は「装画様式絵葉書」という呼称を提唱しています。個人的にもしっくりくるので今後はそれで呼びたいと思います。)
写真絵葉書の方は開通式のすぐ後に業者が売り出していたと証言する当時の新聞記事を確認しているのですが、こちらに関しては出自がよくわかっていません。
おそらく橋の建設に関わった役所の人間等の間で行われたイベントで配布されたものではないかと推測しています。
2.香川県盲唖学校新築落成記念
大阪で知り合った業者さんに岡山・香川関連を集めていると伝えたら、良いものを取り置きしてもらえるように。
こちらは「良いのがあったよー」と案内が来たため大阪に赴き、確保できたもの。
これは確かに良いものです。香川県立盲学校・香川県県立聾学校(来月から香川県立聴覚支援学校?)の前身。
こちらの校舎は高松の市街地西端に位置しており、高松空襲の被災地域からもギリギリ外れて戦後もしばらく存在していたのではないかと推測。要調査。
3.透かし絵葉書:兵士が双眼鏡で島を眺める
いわゆる仕掛け絵葉書の一種。宛名面から光を当てることで隠された絵が浮かび上がります。
それまでにも透かし絵葉書は何枚か持っていましたが、どれも売り手側が仕掛けに気づいてないため格安だったもの。初めて正面切って透かし絵葉書を買ったということでこの一枚は印象深いです。
こちら3000円でした。妥当な価格です。
ちなみに、これを入手したのはTwitterで知り合った方と一緒に参加した東京の郵趣イベント。
そこでは学割の入場券を購入しようとしたのですが、運営側の人が学割適用者用入場券がどこにあるかわからないというちょっとしたトラブルが発生。どうやら学生の参加が珍しいため、学割券も長く使用されていなかったようです。開場前から結構な人数が並んでいたのですが、確かに学生はおそらく自分のみ笑
○2023年
ブログ開設...くらいですね。
Twitterをきっかけに人脈が広がったり、京阪神での大きな催事に参加したりと話題はあるのですが、まだネットに記するには早いかなと。
大したことはできてませんが、あくまで趣味は趣味。何かを成し遂げようと躍起になるのではなく、自分のペースで楽しんでいきます。
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これで以上となります。長い間お付き合い頂きありがとうございました。
結構細かいところまで覚えているのは、なにかと記録を残しているからです。2020年7月以降はTwitterのつぶやきを見返せる上、2020年2月から現在に至るまで毎月の趣味に関する出費をノートに残しているので値段も大体言えます。
ただ、やはり記録にも残さないような細かい話はどんどん忘れていくもの。今回一旦ブログにまとめておくことで、記憶の補強ができたことと思います。
何年後かに自分で見返して楽しむつもりです笑
長々と語ってきましたが、楽しんでいただけた人が少しでもいれば幸いです。
それではまた別の記事で!