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2018年(平成30年)1月20日
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米軍の戦争情報局心理作戦班の報告書49号
「通常の売春婦である」と結論付ける。
では「慰安婦」とは何であろうか。この問題については日本現代史専門家の秦郁彦氏の『慰安婦と戦場の性』に詳しい。日本の軍隊が最初に慰安所を設定して、軍と軍属のための専用慰安婦を利用し始めたのは、1932年における上海であったとされている。この時は満州事変の飛び火で中国軍が1月に上海の少人数の日本海軍陸戦隊を攻撃した。そこで日本から陸軍部隊が急派された。日本軍は反撃に成功して、3月には停戦、5月には陸軍は引き上げたのであるが、その期間に兵が地元の女性に乱暴する事態が多発した。そこで派遣軍の参謀の発案で、長崎県知事に依頼して接客婦団の来訪を要請した。その結果として地元婦女子の強姦がなくなったといわれている。
この慰安所は、軍隊が短期間で撤退したために、2か月程度の短命であったが、そこで作られた慰安婦・慰安所のシステムの制度は基本的にその後も引き継がれた。その骨子は次のようなものである。慰安所(当時は軍娯楽場といわれた)は、民間の業者が調達し、軍が定めた以下のような規則に従って運営することが要求された。①利用者は軍人と軍属に限る、②毎月一回定休日を設ける。③営業には許可が必要④接客婦の氏名、国籍、本籍、生年月日、略歴、写真を憲兵隊に提出する。⑤毎週一回、軍医が憲兵の立ち合いのもとに接客婦を検診し、不合格者には、接客を禁じる。⑥コンドーム及び消毒薬を用いる。⑦営業時間は午前10時から午後6時までと午後7時から午後10時まで。⑧料金は一時間1円から1円50銭まで。⑨接客婦は許可なく指定地域外に出ることは出来ない。⑩営業者が接客婦に対する利益の配分について不当な行為があるときは、営業停止とする。すなわち、営業者は、厳しい軍の監視の下で、営業をしていたのである。
これらの記述から、慰安婦制度は、地元の婦女子を兵士からの性暴力から守ることと、兵士及び婦女子を性病から守るためのものであったことが理解される。世界に稀に見る軍人の性欲対策であった。その背景には、当時の日本独特の公娼制度があったのである。
売春は女性の最古の職業といわれているように古代から行われていたのであるが、近代では性病の蔓延を防止する意味で19世紀にはフランスなどで登録制の公娼が認められるようになった。日本でも明治の初めには公娼の登録制度が始まり、登録のためには親族の申請が必要とされたが、廃業の自由も認められた。この伝統の上に、慰安婦制度が設定された。
1941年に大東亜戦争が勃発すると、日本軍は中国のみならず南方の諸国に多数進出していった。それに応じて必要な慰安婦の数も増加する。日本内地だけでなく、当時日本領であった朝鮮や台湾でも募集が行われた。中国やインドネシア、フィリッピンなどでは現地の女性も加えられた。この時期の慰安婦の状況について最も詳しい情報は、米軍の戦争情報局心理作戦班の報告書49号で、それはビルマで日本軍の敗退後に収容された20人の朝鮮半島出身の慰安婦から聴取した記録で、1944年に作成された。以下に報告書の骨子を示す。
採用の手続き:1942年に日本人の業者が兵隊の看護などにかかわる仕事があり、沢山のお金が稼げるという話をして勧誘した。仕事の細かい内容は示されなかった。
生活状況:各女性は個室を与えられ、そこで生活し、そこで営業もした。食事は慰安所を経営している日本人夫婦が準備し、彼らに代金を支払った。彼女らは、沢山のお金があるので、豪勢な生活をしていた。定期健診を受けてるので、彼女らの健康状態は良好であった。
業務形態:需要に対して慰安婦の数が少なかったので、サービス時間は厳格に守られた。兵士に対しては30分以内、将校に対しては40分であった。朝の10時から夜の12時までの勤務で、水曜日が定休日で、検診日でもあった。コンドームを使用し、衛生には注意を払っていた。
報酬:概して、慰安所の経営者が慰安婦の総売り上げの半分から55%を取り、残りを慰安婦に渡すのが普通である。慰安婦の手取りは通常毎月750円くらいである。当時の二等兵の月給は7円50銭で、軍曹が25円ほどであったので、彼女らの収入は格別であった。
日本の兵士との関係: 兵士は慰安婦に親切で、一緒にパーティーをしたりした。慰安婦に結婚を申し込む兵士もかなりいて、実際に結婚した例もあった。
そして、この報告書は、結局慰安婦というのは通常の「売春婦」であると結論づけているのである。
歴史の真実を求める世界連合会 理事長
目良浩一
The Global Alliance for Historical Truth / GAHT
【目良代表NYでの活躍~2】週刊NY生活 掲載「慰安婦とは何か」
https://gahtjp.org/?p=1871