こんにちは。
歴史考察とっきぃです。
御家人、山田外記(げき)は3年の地頭奉公を終えて白銀城に帰参しました。地頭職は数年で交替制となっていて、一般的には3年で次の担当者に交替するか、事情があれば引き続き留任するというものです。仕事の進め方はマニュアル化されています。赴任する前に隠密が対象自治体に入り込んで、篤農(とくのう)の士がいるかどうかをチェックします。役場職員の腐敗度がどれくらいかも調べます。裏社会(893)とのつながりなどすべてを透明化してから、つまり相当程度に地ならしをしてから、任命された地頭が地元入りします。
役所に挨拶をしてから、主な篤農とともに活動を開始します。トータルで13人です。「鎌倉殿の13人」ではありませんが、人数にも由来があります。モンゴルの十進法による編成をなぞったものです。
やる気のある篤農の男女を多くて10人選抜します。相談役(古老)、自治体とのパイプ役に地元リーダー格2人、それに地頭本人を加えた13人です。
放棄地や圃場をまとめ、木村秋則式自然栽培を農作物におろしていきます。地面の、いや地球の力を源としているため、強欲なカーギル社から高い化学肥料を購入する必要もなくなります。
田植えや収穫は、集約労働となるため、教育委員会と協議して児童生徒を動員します。機械化が取り出されて久しいですが購入資金についてはいまだ闇の中です。リースできれば問題の半分は片付くので、検討します。
自然栽培の一方で、点滴農法も取り入れます。この方法で砂漠のモロッコでは「あまおう」の栽培、EU出荷に成功しています。
窒素・リン酸・カリが必須ですが、これは公儀がバックアップします。大事なのは自治体に依存せずに農民主体で行うことです。
うまく軌道に乗ったら、地頭は離任しますが利権屋を追い払うために留任することもあります。しかし、このへんは守護職の仕事になるので、連携をとります。
カーギル社をはじめ、穀物メジャーが非関税障壁と恫喝するから怖いと、腰の動かない「意識高い」人もいますので。守護や幕閣と連携して国際金融資本恐れるに足らずと勇気を持つことも大事です。
幼児を拷問のすえ処刑して食べてしまうような悪党たちは、トランプ大統領がもう処分しているので大丈夫です。もし生き残りが出たら、公儀隠密が速攻で処分します。もし隠密で手に余るようなら、御庭番黒組を動かします。
とまあ、上記の地頭職を勤め上げて、山田外記は帰参しました。
家族は奥さん1人です。外記は30歳近くのアラサー男子ですが、武芸に優れ、儒学の経典にも目を通している模範的御家人です。が、眉目秀麗でモテるので浮名がよく流れるのが玉にキズです。
実は奥さんも御家人で、文武に秀でて、お茶の先生もしています。百官名は「典侍」(ないしのすけ)。女性御家人は「典侍」のほか、上位の「尚侍」(ないしのかみ)が百官名となります。奥さんは山田典侍(やまだ・ないしのすけ)が御家人としての名のりとなります。
任期を終え、外記は白銀城本丸の黒書院へ登城します。
黒書院では、左右の列に老中と若年寄が列座しています。全10人。ただならぬ雰囲気に外記は身を引き締めます。
やがて、将軍頼秀が上座に現れました。全員が平伏します。
「山田外記、地頭職の任期を終え本日、帰参いたしました」
外記の挨拶の受けて、老中主座の明智左馬之助が声をかけます。
「大義。ますます盛栄となろう」
「ところで、折り入って話がある」
「ハハーッ」
将軍頼秀が脇差しを取り出して前に掲げます。
「本日より、明智十兵衛尉光長と名乗るがいい」
将軍が言いました。
「は?」
困惑する外記。
脇差しを老中・左馬之助が預かり、外記の前に置く。
「ご老中、これはいったい・・?」
外記の疑問を遮るように、月番老中が命じます。
「明智十兵衛、北海道へと下り、内蔵助殿を支えてもらいたい」
執政官級探題として北海道で仕事をする斎藤内蔵助の補佐を命じられたのです。
内蔵助の下で行政を学び、十兵衛は官位をどんどん上げていきます。やがて、平安神宮の朝堂院にて、正三位権中納言兼検非違使別当
に任命され、征夷副将軍に補されました。土岐美濃守の姓と官位を許され、土岐美濃守光長と名乗りを変えます。清和源氏嫡流すなわち摂津源氏の「三種の神器」である獅子王の剣(つるぎ)、血吸銘の鑓(やり)、錦(にしき)の旗飾りを付与され、これらは石清水八幡宮にいったん奉納されました。奉納後、国立博物館等に戻されたことは言うまでもありません。
検非違使別当(けびいし・べっとう)ですから首都・京都の治安を任されています。併せて、二条城の本丸、天守の再建、渡り廊下の再設置も責任者として敢行しました。また、慈照寺銀閣の屋根の鳳凰に「いぶし銀」の塗装を施しました。いぶし銀の塗装の上に液体ガラスをコーティングする念の入れようです。
その後、晴れて従二位権大納言兼右近衛大将に任命されて、鎌倉の鶴岡八幡宮に参拝します。征夷副将軍は、中納言が極官なので検非違使別当と併せて辞任します。
白銀城に帰参すると、将軍に呼び出され、ついに新たな台命(幕府の命令)がくだります。
「日本国惣地頭、日本国惣追捕使に任命する」
「今後は惟任の名乗りを許す。二の丸を与える」
禁裏の左大臣の署名と右大臣たる頼秀の署名が書かれた任命状と、「水色土岐桔梗」の旗が十兵衛光長の前に置かれました。奥さんは今後は「若御台」と呼ばれることになります。
「我ら幕閣一同、大納言さまに従いまする」
左馬之助以下、全10人の幕閣は平伏しました。
入口では、奥勤めの天野源右衛門も頭を下げています。
将軍頼秀とは、養子縁組がなされ、山田外記あらため、惟任大納言光長として、新たに政務に励むと誓う我が後継者でした。
二の丸御殿の私室で、若い夫婦が晩酌を楽しみます。
「今もってわからぬ。なぜわしなのだ?」
「上様の深き思し召しです。私にもわかりません。でも、天命ですから、前へすすむしかないのでは?」
「一本とられたな(笑)」
無限の宇宙の星々が、若武者夫婦を見守るように照らしていました。
