子供を食べる太陽『七羽のからす』より



「太陽と月は地上を照らさない」

「日本に本物のファンタジー作品はない」


━━に同意する日本人は少ないでしょう。太陽と月は物理的に地上を照らしてるし、日本のファンタジーがすべて偽物とは言い過ぎだと。けれども、日本人は「サンとムーン」をまったく分かっていません。たとえば、指輪とドワーフが出てくるグリム童話『七羽のレイヴン』では【サンとムーンは人喰いモンスター】。エルフやドワーフの『指輪物語』では【サンとムーンは汚れた光】。エルフやドワーフの原典、北欧神話では【サンとムーンは罪人】。聖書の天地創造では【サンとムーンが造られない】。日本製のファンタジーは、この伝統がありません。日月を神とする神話や仏教、高等魔術では、本物のファンタジーを創作できないのです。いや、創作以前にもっと深刻な問題が。日光や月光が偽物の光なら、本物の光はどんな輝きなのでしょうか。





 Lのライト。天地創造の第四日。この日に「太陽」「月」は登場せず、「昼と夜を分ける諸景(光)」「大きい方の景(光)」「小さい方の景(光)」「星々」の四種が造られました。「諸景」が昼と夜を区別する光、地上を照らす光です。これらは「徴(奇跡)のため、季節のため、年々のため、日々のため」にある真の光です。逆に言えば、日光や月光は昼と夜を区別できないし、地上を照らさないし、奇跡や季節や年々や日々の光ではありません。日本建国以前、大秦(ローマ)のクリスチャンが唐帝国に「大秦寺」を建ててました。彼らは「景教徒」と呼ばれます。また、聖櫃(アーク)を製作したベツァルエルは「ベ=内」「ツァル=影」「エル=神」という意味の名前です。「景」はカゲとヒカリを兼ね備えた漢字。「景」でなければ、Lのライトは見えません。「教」は闇なので、「景教」は歴史の闇に沈みました。極東の学校教育はデラタメで、現代的な中身がありません。「景」は、奇跡と呪術を見分ける光。「景」では何が見えてくるでしょう。




左の兄イザナギ


 Rのライト。極東を除けば、人類は「右は正義、左は邪悪」「ブラザーを兄と弟に分けない」「シスターを姉と妹に分けない」が常識です。西洋の言語は「歪み」が左を意味し、弱い(weak)、馬鹿な(foolish)、無価値の(worthless)が語源ですだから「左の兄イザナギ(島国の親)」「左の姉アマテラス(太陽)」「左を尊ぶ神々」は弱くてバカで無価値なデビル。デビルの子孫である天皇もまた無価値で、国の象徴にふさわしくありません。聖書やコーランでは、右はエンジェルや天国の側、左はデビルと地獄の側です。エンジェルは「太陽と月と星々を拝んだら死刑」「アイドル(神仏像)を拝んだら死刑」という聖なる法の守護者。ゆえに、善のエンジェルは「日食月食を起こす善神アシュラ」と習合しました悪の「デビル(devil)」は、仏教徒が「天神」と呼ぶ「デーヴァ(deva)」、「天女」と呼ぶ「デービー(devi)」が起源です。西洋では明けの明星がサタンの起源ですが、仏教徒はサタンなる明けの明星を「明星天子(虚空蔵菩薩)」と崇拝します西洋の言語は「正しさ」に右と権利の意味が含まれ、右や権利という特殊用語が存在しません。サタンが仏、デビルが善い神々、デビルの子孫が天皇、エンジェルが悪い修羅、ブラザーが兄と弟に分かれる、シスターが姉と妹に分かれる、アイドルが可愛い、正しさと右と権利は別々、歪みと左と悪は別々━━という悪い環境では、「現代人」になれません。日本の「太陽と月」は、「サンとムーン」とは別物なのです。




 陰陽


 陰陽。日本神話の最初の神は「トコタチ」。トコタチは、渡来人の秦氏によって天地開闢の唯一神」と祈られてきました。秦氏は、平安京(京都)、稲荷大社(米の神社)、松尾大社(酒の神社)を創建した外国人です。日本国が存在する以前、ネストリウス派のクリスチャンが唐帝国に「大秦寺(ローマ寺)」を建てていました。クリスチャンは昔から極東に住んでいました。コミュニケーションの起源、「コミュニオン(聖体拝領)」は「人の子の血肉(酒とパン)を呑み食いする儀式」。そのため、クリスチャンはローマでも日本でも人喰いモンスターと決めつけられ、殺されました。酒呑童子や茨木童子は名前からしてクリスチャン。もちろん、日本の上層部や遣唐使(空海、最澄など)は「唯一神」を知っていました。しかし、聖なる法は「日月星やアイドル(神仏像)を拝んだら死刑」。クリスチャンが勢力を拡大すれば、天皇や貴族や神官や僧侶は全てを失います。それで日本人は、本物の風水に鬼門はないのにトコタチを「鬼門の神」と呪っています。中華の「鬼神」は太陽の気を持つ天神ですが、日本人は鬼と太陽を切り離しています。中華の鬼は肉体のない幽霊ですが、日本人は「肉体ある鬼退治(クリスチャン退治)」の虚言をやめません。中華の陰陽☯️は「陰陽道」が存在しませんが、日本人は「陰陽師による鬼退治」の虚言をやめません。「たましい」は二つの「魂魄」があります。日本人は「刀で鬼退治」の結果、骨と肉を作る陰のたましい、「魄(ハク)」━━英語のソウルに該当するもの━━を失いました。カタナはソウルを失う呪いの剣なのです。日本は千三百年前から鬼と神、陰と陽が狂っています。英語のゴーストは幽霊でなく鬼、スピリットは霊でなく魂、ソウルは魂ではなく魄鬼退治と霊魂誤訳をやめないと、「太陽と月」「サンとムーン」は認識できません。



闇の悪魔



 ダークネス。日本は闇深い人称で埋め尽くされています。たとえば、西洋は天皇の神話がなく、三皇五帝の伝説がなく、渾沌帝の思想もなく、帝釈天の崇拝もありません。したがって、本物の西洋は、皇帝や教皇、女帝や女教皇などの「皇や帝」が存在しません。西洋は天皇や女帝がいないので、昭和天皇や推古天皇が国民投票なしに押しつける「憲法」も存在しません。西洋は【小のサービス】が職業の根幹で、大統領、征夷大将軍、大将、太政大臣、総理大臣、大臣、大学教授、大学生、大工、大人などの「大の人称」は存在しません。西洋は【守のロード】がゴッドなので、創造主、造物主、救世主、主人公、主人、主演、主役などの「主の名称」は存在しません。西洋は【皆のパブリック】をシェアし、「公(天皇や大臣や征夷大将軍)」がいません。西洋は主人公、大公、公爵、公爵夫人、公務員、公衆などの「公の人称」は存在しません。西洋は儒教や老荘がないため、「民(目を突かれた奴隷)」の字が存在しません。西洋に、国民、人民、庶民、民族、民間人、市民などの「民という奴隷用語」は存在しません。西洋は【前とつく単語が300以上】あるため、先祖、先人、先方、先駆者、先生、先輩などの「先の人称」は存在しません。皇、帝、主、公、民、大、先などの人称は闇。景が来た時、闇深い人称は消えてなくなります。




 日月の罪人。エルフやドワーフの原典━━北欧神話では、はじまりのアース神族がボルの息子たち、オーディン、ヴィリ、ヴェーです。天地が造られる以前のこと。オーディンたちは、「神でない悪い巨人ユミル」を殺しました。この悪の巨人ユミルが左の巨人イザナギの正体です。ユミルの血が洪水となり、「ユミルの左側から生まれた霜の巨人族」は絶滅しました。左の霜の巨人族が、左を尊ぶ八百万の偽神たちの正体です。オーディンたちはユミルの死体から天地を造り、ユミルのまつげから人の住む「中つ国」を造りました。中つ国こそ、日本が神器と国土を奪った「葦原中つ国(みずほの国)」に当たります。ユミルの死体にうごめくウジ虫は、アース神族のデクレでドワーフになりました。黒き女巨人ノートは夜を司り、彼女の息子ダグは昼を司ります。古ノルド語ノートが英語のnight、ダグが英語dayの前身です。ダグの馬スキンファクシのたてがみこそ、空中と地上を照らす光源。地上では「太陽の女ソール、月の男マーニ」を名乗る罪深い者たちが現れました。この二人の罪人が太陽の女アマテラスと月の男ツクヨミの正体ですオーディンたちは二人への罰として、「太陽の車と月の車」の御者をやらせ、日月を動かす労働を強制したのです。光なき罪人たちは二匹の天狼フェンリルに追われており、神々の黄昏に最強のフェンリル「月の犬」が太陽を呑み込む運命にあります。月の犬はふだん輪廻転生の門(月)にいて、死んだ人の肉すべてを喰らいます。それゆえ、人は誰も転生できません。ライトエルフは太陽より美しい種族。ダークエルフはピッチより黒い種族。エルフやドワーフの神話は、日本絶滅および「葦原中つ国の復興」をもたらします。中国地方の島根県、出雲は再び島の中心となるでしょう




 

 汚れた日月。エルフやドワーフの火付け役、『指輪物語』『ホビットの冒険』の作者トールキン。彼は友人への手紙で「太陽は聖なるシンボルではない」「太陽の下は堕落した世界」「太陽の光は不完全で狂っている」と書いています。より古い時代の話、『シルマリルの物語』では、真の光シルマリル(汚れなき光の輝き)は「二つの木」に宿りました。すなわち銀の木テルペリオンと金の木ラウレリン。夜を司る銀の木の方が、昼を司る金の木より前に生まれました。大敵モルゴスがこの二つの木を殺害した後、汚れされた光から太陽と月が出来ました。トールキン用語では、二つの木を見たエルフを「ライトエルフ」、二つの木を見ていないエルフを「ダークエルフ」と呼びます。それは肌の色や種族ではなく、真の光を見たか見ていないかの違い。『指輪物語』において、人の住む処は「中つ国」。その東にある、日出ずる処モルドールは「影の国」。モルドールは人族とフリーダムの敵、冥王サウロンの支配する闇の領域です。日本は古代と現代において「中つ国」を攻め、国際連盟を脱退し、フリーダムの国アメリカと戦った国。東京裁判では「人類に対する犯罪」が裁かれました。まさに日本はモルドール。『指輪物語』に日本批判の意図はありませんが、日本は悪役そのものです。




夜の女神ニュクス


 夜と昼。『指輪物語』のしめくくりでは、ガンダルフとアラゴルンが別れる前、銀の木テルペリオン(夜の木)の子孫を見つけます。銀の木は、金の木より前に生まれた木で、上のエルフに愛された夜の木でした。そしてアラゴルンはエルフの娘、「宵の明星」のアルウェンと結婚し、フロドがガンダルフに「夜もまた清められて美しく、夜の恐怖はことごとく消滅するのですね!」と言います。やはり北欧神話でも、夜のノートは昼のダグの母です。ギリシャ神話では、夜の女神ニュクスが昼の女神ヘーメラーの母です。イスラムの神秘道は「夜(ライラ)」に対して「狂人(マジュヌーン)」になる道ですゾロアスターは、闇と夜の天神ヴァルナを「光の最高神アフラ・マズダー」と見なしました。なぜかゾロアスターは、ヴァルナの双子、太陽と昼の天神ミトラを完全無視しました。東洋人は、善のアフラを悪のアシュラと偽り、悪のダエーワを善の天神天女と偽っているため、こうした「夜の道」を持ちません。東洋人は聖書の「昼と夜を分けるライツ」など見向きもしません。昼の太陽からは、ユダヤ、イスラム、イラン、ギリシャ、北欧、トールキンの汚れなき輝きを観測できませんなので、東洋人は『指輪物語』が見えないのです。特に「中つ国を奪って返さない日本人」に、「中つ国のファンタジー」を作ることは不可能です。




Workbook Lesson 75


The light has come.

景が来ました。




英語のサンとムーンと言っても、その背景を知るにはヘブライ語が必須です。ユダヤ女性による英語のレッスン、『奇跡のコース』は助けになるでしょう。