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福岡の署名研究家・筆跡診断士の吉野です。

「署名診断」・・・名前に使われている文字に込められた意味を探り、さらに、理想の姿に変われる名前の書き方を教えます。


私のポリシーというか、人生のテーマの一つが、「賢く生きる」です。

「賢さ」は、誰もが手に入れたい資質の一つでしょう。

宮沢賢治など、名前に賢が付く人も多いですね。


今日は「賢」の字で署名診断です。

「賢」は、もともと「臤」で、「臤」という文字で「かしこい」という意味でした。

「臤」は「臣」と「又」から成り立ちます。

「臣」は、上方を見ている形で、大きな瞳の象形です。

(そう言われてみれば、「目」と「臣」は似ていますね) 


「又」は手の象形です。

「臤」は、瞳に手を入れて、傷つけて視力を失わせる意味です。

こうして視力を失った人が「臣」で、神に奉仕する人であったのです。

「臣」の中には、さまざまの優れた才能を持つ人がいたことから、優れた才能を持つ人=「臤」となりました。

「臤」の下に付く「貝」については、貝は昔、貨幣として使用されるものもありました。

つまり、「貝」には、貴重なもの、価値あるものという意味があります。

まとめると、「賢」は「臤」=優れた才能、「貝」=貴重という意味があり、

「賢」は、「かしこい」という意味で使われるようになりました。

(「常用字解 平凡社 白川静著」を参考にしました)


「賢」の字の成り立ちを知った時、こんなことを考えました。


  長所と短所は表裏一体。


優れた才能の裏側には弱点があったり、大きな犠牲やハンデの代わりに優れた能力を手に入れることは良く聞く話です。

地球に3分しかいられないウルトラマンや、漫画「ワンピース」の悪魔の実の能力者が分かりやすい例ですね。

また、野口英世のように、ハンデを持ちながら、偉大な功績を残した人もいます。


余談ですが、大昔の南米に「モチェ文化」という文化がありました。

そこでは、視覚障害者や身体障害者は「神に近い存在」として大切にされていたという話があります。

また、沖縄にも昔、似た文化があり、障害者を「白子(しろこ)」と呼んで大切にしていたという話があります。

ハンデを背負った人が「神に近い存在」として大切にされる話は、昔からありました。


名前に「賢」という字が使われている場合、「賢く育ってほしい」という願いが込められているのは間違いないでしょう。

そこで下のような「賢」を書きましょう。
 

賢

 


ポイントは、「臣」「貝」のそれぞれの「4本の横線を平行かつ等間隔に書く」です。

横線を平行かつ等間隔に書く訓練が、賢さをアップしてくれます。