『ていねいな文章大全』の合間に、
蓮村 俊彰著『それでも今の居場所で
いいですか? 』を読みました。
久しぶりにライトに読める本でした。
本の最後、スタッフ紹介の最初に
「プロデュース 永松茂久」
と書かれていて、
この本の読みやすさは
そこにもあるのかなと
勝手に納得した次第。
永松さんは100万部超の
『人は話し方が9割』の著者。
あの本も同様にライトに
読みやすかったのは、
普段あまり本を手に取ることがない
30-40代の主婦をターゲットに
売れる本を目指していたから。
これは直接編集者の方から
聞いた話です。
さて、『それでも今の居場所で
いいですか? 』に戻ります。
この本、帯に惹かれて購入しました。
ーーーーーーーーーーーー
あなたの未来は
あなた「以外」で9割決まる
仕事/生きづらさ/お金/恋愛/学び/
周りの人間関係=「界隈」を変えて
すべてを好転させる29のヒント
ーーーーーーーーーーーー
Amazonで紹介されている
「はじめに」も一部引用しながら、
多分に私見をいれこんで
ものすごくざっくりと
以下に要約してみます。
自分自身で選びとってきたと
思い込んでいる価値観の物差しは
家族をはじめとした「界隈」が
良しとするものによって
決められている。
それと自分の生活の間に
ギャップがあると”不幸”になる。
人生で起こる様々な出来事は、
自分のせいだと思い込む
自己責任論は捨てて、
「あなた界隈」を作り変える
ことで、そのギャップをなくして
本当の幸せを手に入れるための
方法を紹介する本。
こんな感じ。
周囲の価値観に影響されているのは
まったくその通りだと思いますし、
強すぎる自己責任論もよくないと
思っています。
ですが、「はじめに」の部分から
何か違和感がありました。
読み終わってみて、その違和感が
何かに気付いたのですが、
もうちょっと説明がほしいなと
思うところがいくつかあった
ということです。
たとえば、
「お行儀のよい自己責任論は
ゴミ箱に放り込みましょう」
と言いながら、
界隈を変えるのは自分であり、
いま属している界隈から
抜けるかどうかは
ある意味自己責任にあたるのでは
ないかと思ってしまいました。
「お行儀のよい」という言葉で
察することができなくはないのですが、
自分の人生が好転するとき、
「あなた」(=自分)の役割は1割しか
ないのか?
と、ついひねくれたツッコミが
頭に浮かんでしまいました。
そういうことを言っているのでは
ないとわかっていますし、
決してこの本が矛盾した主張を
していると言いたいわけでは
ありません。
家庭も含めて、自分が属している
界隈の価値観と合わなくて
苦しんでいる方は
程度の差こそあれ、それなりに
多くいると思います。
さらに、行き過ぎかもしれない
自己責任論で、さらに苦しんでいる
方もいると思います。
この本は、優しく寄り添うように
易しい本だと思います。
単純に、私がハマる本ではなかった
というだけなのです。
「はじめに」を読んで、
自分には合わないと思ったら
その先は読まない本もありますが、
今回は、違和感の正体を知りたくて
最後まで読みました。
でも最後まで読めたのは
内容自体はなるほどと思うもの
だったから。
そうでなければ途中で挫折していました。
今回最後まで読めたことで、
自分は、ふんわりした説明だと
物足りなく感じるのだと
再認識しました。
(えぇ、面倒くさい奴なのです)
本でも、音楽でも、人でも、何でも
合わないなと思った時に
その理由を探ってみると、
自分が大事にしているものが
見えてきたりする。
そして、自分が合わないと思うものが
世間に広く受け入れられている
ものであるなら、
周囲に対しての振る舞いを
変えてみようと思うきっかけにも
なります。
今回であれば、
厳密な説明を求めがちな自分は、
いきなりそこにいくのではなく
まずはちょっとふんわりから始めて、
相手に合わせて厳密度(?)を
上げていくとか。
合う本だけでなく、そうでもない本を
読むことも学びになる。
昨日と今日、この本にかけた
2~3時間の成果です。
次は、合いそうな期待の高い
『エフェクチュエーション
優れた起業家が実践する「5つの原則」』
を読み始めます。
この入門書が出る前に
『エフェクチュエーション』も
読んでいますし、
著者の吉田満梨先生のセミナーに
参加したこともありますので
復習も兼ねて理解を進め
行動につなげたいと思います。
【今日のまとめ】
自分と合わないと思うものに対して
その理由を知ることで、
自分が大事にしているものを知り、
また世間に合わせる方法も知る。