加賀友禅の着物と落款 | ホンモノのきもの(着物)をあなたに | きもの 菱屋 ブログ 
2011年11月24日(木)

加賀友禅の着物と落款

テーマ:着物
こんばんは!
きもの菱屋・店主の朝井利彦です。


先日クリーニング(お手入れ)に持ってこられた黒留袖、「買った時高かったのよ」とよく見ると加賀友禅の黒留袖でした。


加賀友禅の着物は、金沢で作られており一人の作家さんが図案から色挿し、地染めまで大部分の仕事を一人でするため、出来上がりには書や絵画と同じように作者の落款(らっかん:落成款識の略、元は書画の完成を表す署名捺印)が押されており、誰が作った作品かがわかるようになっている。

加賀友禅の特徴は、花鳥風月など写実的な図案を元に、加賀五彩といわれる、臙脂(えんじ)、黄土、藍、草、古代紫の五色を基調としています。また、刺繍や箔遣いもなく日本画を着物にしたようなものです。

加賀友禅黒留袖

下前のおくみに落款が入っています。

落款

お持ちの加賀友禅の着物、作家さんを知りたい場合は、加賀染振興協会が作っているHPサイトに落款一覧が載っています。
ここでは、現在活動中の方が中心で、昔の作家さん「人間国宝の木村雨山」などは、物故作家のページより探して下さい。
一人の作家さんで、落款をいくつも持っておられる方もありますので、全てわかるわけではないですが、ほとんどの作家さんはここでわかります。

以前の作品は迫力のあるいいものがたくさんありました。お持ちの着物調べて見られたら、意外に有名な方の作品化も知れませんよ。着物として着なくなったら、屏風や額にしてインテリアに使われる場合もあります。

あと時々、本加賀友禅と言われて買ったけれど、加賀調の京都で染められたものだったりということも残念ながらあります。現在では手描きの加賀友禅には袖の中の布の端にシールが貼られていますので、買われるときには確認されることをお勧めします。

手描き加賀友禅証紙



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