なぜ「安倍」か (前編) | 三宅久之オフィシャルブログ「三宅久之の小言幸兵衛」Powered by Ameba

なぜ「安倍」か (前編)

 

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私が日本を託す次期首相として「安倍晋三氏」を挙げたことに対して、多くの方々から「なぜ?」との質問をいただいた。

 

 少し長くなるが経緯をご説明したい。 
2007年8月、インドなど3カ国歴訪から帰国した安倍首相(当時)は、直ちに内閣改造を断行。新たな安倍カラーを打ち出すべく臨時国会を召集、9月10日に所信表明演説を行った。ところが野党がこれに対し代表質問を行う12日の衆院本会議の直前、安倍氏は突如として退陣を表明したのである。

 

 私は安倍氏の外遊中から下痢が止まらず、体調がすぐれないとの情報は聞いていたが、内閣を投げ出すほどに悪化しているなら、帰国直後にも総辞職の機会は幾度もあったと思う。それなのに所信表明までやり、野党質問の直前に辞めるということは、野党だけでなく国民に対しても非礼であると考え、メディアを通じて政治家の行動として「あるまじきこと」と非難したのである。

 

 話は飛んで、2010年11月、私がレギュラーコメンテイターを務めていた大阪読売テレビの人気番組「たかじんのそこまで言って委員会」が、山口県俵山温泉で、新年用特別番組の収録を行った際、ゲストとして地元選出の安倍氏が出演していた。

 

 安倍氏はやしきたかじん氏と裸になって大浴場で語り合い、「太ったじゃないですか」「特効薬のアサコールが認可になって、劇的に腸疾患が快癒しました。もう大丈夫です」と和やかだった。しかし食事の席では、同席した金美齢、勝谷誠彦氏らから、これまた「辞め方」について痛烈な批判を浴びた。

 

 これに対して安倍氏は誠実に当時の心境を吐露。「総理のポストは重いもので、軽々に辞めてはいけないと思ったばかりに時機を失した。下痢は止まらず、食事はのどを通らず、肉体的限界に達したからだが、辞任の責任は重い」と痛切な表情で釈明。これによって私は「辞め方」の懸念は、あらかた氷解したのであった。(後編に続く、日曜日に投稿予定)