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教育に命を懸けよ

新聞の書評欄で、月刊誌「WILL」の編集長、花田紀凱氏が絶賛しているのを知り、早速求めて読んだ。『にっぽん玉砕道』(産経新聞出版)野々村直道、勝谷誠彦両氏による対談集である。

 勝谷氏は激辛コメンテイターとして、民放討論系バラエティやワイドショーで活躍中だから知る人は多いと思うが、野々村氏についてはよほどの高校野球通以外、知る人は少ないかもしれない。

 

2010年春の選抜で、中国地方随一の強豪校といわれた島根、開星高校を率いて「21世紀枠」の和歌山、向陽高校と戦って敗れ、『21世紀枠に敗れたことは末代までの恥』と発言。日本中からバッシングを浴び、野球部監督を一時辞任したあの野々村氏である。「21世紀枠」とは、部員不足などの困難を克服した学校に与えられる別枠で‘01年から設けられている。


 野球の話は別として、本書では野々村氏の教育論が出色である。学校崩壊というのは、子どもが主役という誤った指導法が作り出している。学校は教師が主役であり、「オレについてこい」との姿勢がなければダメだ、と主張する。体罰についても野々村氏はこう言い切る。『底辺校と呼ばれる学校の教育現場では、体罰の是非など悠長なことを言っている状況ではない。


 刃物や凶器で教室を占拠し、教師を襲う。こういう子どもが社会に出ていけば、必ず他人に迷惑をかける。この子らを更生させるには、体を張り命を懸け、首を覚悟で対峙することが必要だ。体罰はいけないというのは、高みに立った偽善者の論理だ』

 野々村氏のいう子どもたちとは高校生のことだが、彼は自分の子供たちに『お前たちには人権はないんだよ。みんなから信用され、相手のことを理解出来るような人間になったら、その時は人権を認めてやる』という。

 私のかねてからの持論通りで、全く同感である。 (全3の2に続く)