FROM ME TO YOU | 近藤ひさしオフィシャルブログ「ドクツボ」Powered by Ameba

FROM ME TO YOU


FROM ME TO YOU

Sound Produce & Directed by HISASHI KONDO




YUIから出てくるメロディや言葉たち、あらゆる場面で才能を感じないわけにはいかない。
そして天使の琴声を耳にした時、彼女が歌うために生まれてきたことを疑う人はいないだろう。ただし、彼女は才能だけで作品を作り出しているわけでは決してないのだ。どんなミュージシャンよりも多くのCDを聴き、とにかく吸収しようと努めている。アルバムタイトル「FROM ME TO YOU」だってあの1963年Beatlesの作品と自分のメッセージをかけている。
僕は何度もエピソードとして話しているが、オーディションで出会ってデビューまでに制作したデモだけでも数百曲をとうに越えている。どれも必然の中で生まれた楽曲たち。音楽がないと生きていけないと言い切った彼女の世界観は日常ととてもリンクしている。




M1.【Merry・Go・Round】
lyrics YUI music YUI arr YUI & northa+

記念すべきYUIファーストアルバムの1曲目になったこの曲はギリギリまで“原宿ソング”という仮タイトルで進んでいました。YUI本人が曲とほぼ同時にアレンジのアイディアもあったので、そのまま地下プリプロルームで録音していきました。AメロからBメロへいくとき、同じコード進行の中でメロがグッとスピードを上げます。4拍目だけだったスネアも2拍、4拍目と・・・盛り上がり、サビまで繋いでいきます。愛情がカラ回りする気持ちはまるでメリーゴーラウンドだ・・・と唄う主人公が泣きながらデートを飛び出してゆく場面が浮かびます。YUIの想う“原宿のイメージ”を秘めながら8ビートでこのアルバムは幕を開けます。

M2.【feel my soul】
lyrics YUI music YUI arr hideyuki Daichi suzuki

フジテレビ系月9ドラマ(2005年1月17日~3月/毎週月曜21:00~/主演:竹内結子、内野聖陽、オダギリジョー、小林聡美 他)
「不機嫌なジーン」の主題歌になったYUIのメジャーデビュー曲。
この曲はだいたいの骨組みが出来ていたところから、歌詞のツメや新しいDメロ、間奏のパターン違いなどをドラマプロデューサーからの要望にも応える形で作業しました。日本語だったタイトルもfeel my soul として、スピード感を感じられるアレンジ へと組んでいきました。ちなみにドラマにあわせてマスタリングを3回やり直しました。その後のヒットは記憶に新しい。
SRCL-5880/シングル/2005.2.23/ release

M3.【Ready to love】
lyrics YUI , yukamatsumoto music ,arr COZZi

実はこの曲はCOZZiというオーストラリアに住むアーティストの作品です。
M-12の「TOKYO」でも触れますが、数曲あったデモテープを聴きながら、「この曲カッコイイんじゃない?」っていう具合にYUI自らいくつかデモ曲からピックアップしました。この曲にはすでにyukamatsumotoという作家の詞があったのですが、のちにYUI自身が歌詞を改訂し、タイトルをReady to loveとして本アルバムに収録となりました。

M4.【Swing of lie】
lyrics YUI music YUI arr northa+

とにかく音楽の幅の広さを感じました。レンジも広くkeyの設定には悩みましたが、YUIのやりきれない程の切ないメロディにどんどん引き込まれる事でしょう?♪嘘ならやめてって言ったけど、嘘もつけないような人はもっと嫌い。タイトルの“Swing of lieはキーワードの”恋人がいたブランコ”そして まさにいま離別を直前にしている主人公の“葛藤“が表現されています。すれ違うだけの恋愛はまさに、 並んで座ったはずのブランコによく似ていた・・・。最後にViolin とViolaを重ねて情熱的に仕上げました。

M5.【LIFE】
lyrics YUI music YUI arr northa+

スポーツやテレビゲームでもそうなんだけど、ある程度、複雑だったり、敵もそこそこ強くないとつまらない。人生だって カンタンに行かないから やってられるんだと思う。先にコード進行から作ってゆきました。サビを転調させたところと、ギターのリフが特徴になっています。
全国テレビ東京系アニメ「BLEACH」エンディングテーマ(2005年10~12月/毎火19:30~20:00)となったサードシングル。この曲でファン層はさらに広がりました。
SRCL-6067/シングル/2005.11.9/ release

M6.【Blue wind】
lyrics YUI music ,arr COZZi

とても感慨深く聴きかえしてしまいます。COZZiのデモ音源にYUI本人が詞をのせ てゆきました。ちょうどこの楽曲制作のころ、YUI自身が他人のために歌を歌うことに疑問を感じていた事がありました。2コーラス目にあるように自分が創った歌に人が集まってくる様子を発明家を用いて例えています。本当に苦しかった時期を少しずつ乗り越えながら作り上げた作品のひとつです。

M7.【I can't say】
lyrics YUI music ,arr COZZi

今回、COZZiというクリエーターのデモ音源から4曲収録したのですが、今後、必ず日本でももっと活躍するであろう期待が高まります。そして何よりYUIが「良いものは良い」「好きなものは好き」と言い切れるところにどんな方々とのコラボでも結局、自分のものにしてしまう強い個性を感じます。歌詞の内容も初期YUIのラブソングと言えます。簡単な言葉を使いながら、サビの韻にもこだわった作りが絶妙ですし、主人公の気持ちにも共感できます。

M8.【Simply white】
lyrics YUI music YUI arr northa+

やりかけている事や捨てられないモノがどんどん増えて行くから、一度全部そんなことを忘れてしまいたいとYUIは歌っています。引越しや机の掃除をするとき、中を見ないでどんどん捨てていかなくちゃいつまでも過去に足踏みしてしまう。そんな自分を思い出して苦笑してしまいました。でも彼女は最後に言ってくれます。そうもいかないから疲れてしまうのだ・・・と。タイトルのSimply Whiteとは“たんに白“それはつまり”何も考えていない状態“とでもいえばよいのでしょうか?Simply Redとは当然だが無関係だ。

M9.【Just my way】
lyrics YUI , yukamatsumoto music YUI arr northa+

夏フェスや学園祭で活躍したナンバー!そもそもレコーディングの合間などにアコースティックギターをかき鳴らしYUI語でずっと歌っていました。気分を高めるのにYUI自身も気にいっていたように思います。歌詞はReady to loveのデモ詞にあったyukamatsumotoに初めての依頼「出掛けようとしているのにカギが見つけられなくて家を出れない!」というシチュエーションに「誰かを待たせている」「恋愛の途中」という設定を書き加えました。大切な人=チャンスと例えています。こんなつくり方は初めてだったけれど、新しい風が吹いたように思います。SoundはとにかくRock に!!ギターキッズはコピーしまくってほしい!!!

M10.【Tomorrow's way】
lyrics YUI music YUI arr hideyuki Daichi suzuki

松竹・東急系 全国ロードショー映画「HINOKIO」(出演:中村雅俊・本郷奏多・原沙知絵・牧瀬里穂・原田美枝子 他/監督:秋山貴彦)の主題歌として書き下ろしました。まだ音楽の入っていない映画をみて、監督と話をしたその日のうちにYUIは数曲書き上げてきました。映画を観てからYUI自身が感じたという“現実を生きてゆくことは厳しいけれど 乗り越えてほしい”というメッセージがこめられています。サビのコード付などdimの使い方も絶妙。YUIの作曲はとても考えられている。
SRCL-5929/シングル/2005.6.22/release

M11.【I know】
lyrics YUI music YUI arr hideyuki Daichi suzuki

2004年12月にインディーズ盤をrelease。その中の1曲がこの I knowです。2000枚限定で生産されたこのCDをYUIはデビューするまでの間(デビューしてからも・・・)天神のストリートライヴで手売りし続けました。当時、アブリルを少しだけ意識して音づくりしていました(笑)なつかしい作品です。

M12.【TOKYO】
lyrics YUI music COZZi arr YUI, COZZi

2004年9月まさに福岡から上京してきたときに、よく新しい音を求めてアレンジャーやコンポーザーのデモを午前中や休日のデスクのまわりで一緒に聴きました。その中でYUI自身がいくつか興味をひくメロディやサウンドを見つけることがありました。YUIも「仮歌のメロディと自分が上京した当日に書いていたメモとどんどん感情がリンクしていった。」と話しています。歌詞が書き上がるのと同時にスタッフを集めて弾き語りをそのまま録音しました。とても緊張感があったのを覚えています。強い決意が感じられました。当時の音源に「ピアノ」と「生弦」だけ添えてリリース音源としました。痛いくらいに当時の気持ちが伝わってきます。
SRCL-6222/シングル/2006.1.18/release

M13.【Spiral & Escape】
lyrics YUI music YUI arr Ikoman

過去のすみっこの方を撫でたような不思議な感触を味わっていただけると思う。YUIの この曲はリリースにこだわらずに遊んでみたいという要望をうけて、YUI作品では初のIkomanというアレンジャーの登場になる。彼自身YUIの音にはかなり前から注目していてくれたそうで、僕がオファーしたときには「・・・プレッシャーありますよ。」と言いながらもずいぶん喜んでくれた。今回、あえて難しい曲でどう持ってくるか楽しみにしていたのだが、 いい意味で期待を裏切ってくれた。YUIの描いていた肌触りを全員で確信できた瞬間でもあった。“何も犠牲にしない優しさならいらない。”そんなフレーズを残して YUIはアルバムの最後を締めくくることになる。


HISASHI KONDO