『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』を読んだ。日本はアメリカの属国であるという漠然たる思いを確固たる確信へと変えてくれる本である。
最近の傾向であるが、情報公開法に基づきアメリカ公文書館でトップシークレット解除になった公文書が次々と発見されて研究が進んできている。特定秘密保護法など成立させた日本からは絶対に出てこないだろうが、この辺がアメリカの凄いところでもある。これらの研究によりやがて日本の戦後史の全貌も明らかになっていくことだろう。
この本は、日米における密約外交を明らかにしている。東京の空をなぜ日本の航空機が飛べないのかも最初に述べられていて、そして沖縄で大問題になっている日米地位協定は決して沖縄だけの問題ではないことも知ることだろう。
一昨日の報道ステーションでは日米地位協定に少し触れていて、何故この日米地位協定が政治問題にならないのかという主旨の質問に対して、解説員は政治家にとってこの問題は日米安保にいきつくパンドラの箱なのだという説明をしていた。確かにそうであろう。しかし一番のパンドラの箱は日米安保ではなく、日米合同委員会であろうと思う。
この存在を知り、どういう役割があったかを知れば、憲法9条と自衛隊、日米安保の関係も見えてくるし、戦後は全く終わっていないのだということも思い知らされる。
陰謀論であるとか妄想であるとか言いたい輩もいるだろうが、そろそろ日本人はパンドラの箱を覗き込み,自らの現状を直視する必要はあるだろうと思う。日本人なら是非とも知っておいて欲しい内容だな。
