ユーストリームで、フォーラム90「オウムと死刑を考える」を視聴したが、パネラーの人達もさることながら荒木さんが参加していたのには驚いた。
安田さんから質問を受けて、根が真面目なんだろうな。言葉を選びながらも誠実に答えようとしている姿が印象に残ったな。
私も死刑廃止論者ではあるので、なぜだか安心して視聴できた。先進諸国ではもちろん廃止派の方が多いのだろうが、日本ではまだまだ存置派が大多数なので、少数派は常に身構えていないと袋叩きにあってしまう場面が多い。そんな光景を度々目にしてきたからこそ、今回は安心できたのかもしれない。
有田さんが言っていたが、今まで麻原死刑のXデーに関しては色々な憶測が出回っていた。
しかし、それらにはいずれも根拠はなく、法務省は一回も麻原死刑執行の起案書を提出したことがないことを明らかにしていた。
ハンコを押した法務大臣には、一生SPが着くだろうからよっぽどの覚悟のある強力な大臣でないとダメだということと、やっぱり精神鑑定をしっかりとして、後々の歴史の検証に耐えうるものにすることが必要だという意見を述べていた。
もっと本質的な意見を述べていたのは、河野さん。判決文などでは「更生の余地はない」などと書かれているが、色々な人たちとの関わり合いの中で人は変わるし、加害者も変わると言っていた。
また、冤罪にも言及していて、死刑が執行されたときに取返しがつかない事態になる、ということもしっかりと述べていた。
安田さんなどは、大逆事件などを例に出してその後に戦争に突っ込んでいく過程を簡単に述べていたが、その前には帝国議会で4回も死刑廃止法案が出ていたそうだ。これには本当に驚いた。戦後は一度もそんな法案は出てきていないだろう。
大正デモクラシーの人権思想の潮流が出ていた頃の話だろうが、ひょっとしたら大正期の日本のほうがよっぽど先進的だったのかもしれない。軍隊は持っていたし戦争はしていたけど、現在以上のリベラルな思想、言論空間はあったのかもしれない。
結局は、感情論に流されるのではなく、冷静に死刑制度も考えていく必要がある、というようなまとめ方であったように思う。
麗華ちゃんも意見は述べていたが、接続状態があまりにも悪くよく聞き取れなかった。
でもまぁ、色々と勉強になった議論であった。