もう何年か前に死んでいますが、ヘルベルト・フォン・カラヤンという、「帝王」と呼ばれていたオーストリアの指揮者がいました。
おそらく日本においても、今でも最もよく知られている指揮者の一人ではないでしょうか。ドイツではヒトラーからも絶賛され、ナチ党員にまでなっていました。
ちなみに当時、身の安全を守るために、また音楽家としての成功を収めるためには権力者につくしかありませんでした。よってカラヤンがナチスの思想に共感していたわけではないとの見方が有力です。いずれにしてもカラヤンがナチ党員であったということに対しての賛否は分かれると思われます。
カラヤンが率いているオーケストラは、ベルリンフィルハーモニーかウィーンフィルハーモニーのことが多く、彼自身がオーストリア人だということもあって、得意な演奏はベートーヴェンやモーツァルト、ワーグナーといったドイツ・オーストリア系(ゲルマン系)の作曲家のものだったそうです。
これはカラヤンに限ったことではなく、フランスの指揮者はビゼーやドビュッシーといったフランスの作曲家の音楽を得意としたり、ロシアの指揮者はチャイコフスキーやラフマニノフといったロシアの作曲家を得意とする・・・、といったように、自分の国の作曲家を得意とする指揮者が多いみたいですね。
しかし私個人的な意見としては、カラヤンのベートーヴェンは、重苦しさに欠けると思っています。カラヤンのプレイスタイルは、非常に前衛的で派手だと言われています。でもその分芯というか深みがない・・・。
ベートーヴェンの音楽は、彼の不幸な人生がそのまま音楽に現れているのです。よってカラヤンの演奏では、やや役不足なのではないかと思うわけです。
重いベートーヴェンが演奏できる指揮者といえば、私なら真っ先にフルトヴェングラーを挙げます。彼のことはまた後ほどブログで取り上げます。
むしろ私は、カラヤンはバレエ音楽に向いてるのではないかと思うのです。
カラヤンの「くるみ割り人形」や「カルメン」は、彼独特の派手さが際立っており、とても魅力的です。
カラヤンの魅力は意外なところで見出せるというわけですね。