あ、と思ったときには体が前につんのめって、地面に突っ伏していた。 


 加速度もついていないのに、止めようとして止められず、身体は石そのもので、重いこと限りなく、どたりと不様に倒れた。 


 朝の散歩を始めてから3か月近くになり、それなりに効果もあり、 今日は格別体調もよかったというのに。 


 高齢者の転倒は骨折を伴い、寝たきりになることが多く、認知症の原因にもなり易いと注意していたつもりが、どこか他人事だったのかも。 


そもそも注意したところで、転ぶときには転ぶ。

わずか数ミリのマンホールの縁に躓くなんて。 

と、言うことは歩道を歩いていなかったのか? 


 どうやら骨に異常は無さそうで、たまたま通りかかった3人の若い女性に労られ、我が身の老いと直面したことだった。 

あんなにも脆く転けるなんて··· 。


転倒した時は気が張っていたのか、どこも大して痛くもなく、普通に歩いて帰ったが、 

自宅でパンツ(ズボン)を捲ると両膝に血が滲み、

段々打撲傷も痛くなってきた。 

膝も、腕も痛い。歩行も困難になってきた。 


 もし、これが独り暮らしだったら、もっと悲惨なことになったに違いなく、あらためて真剣に自分の年齢や、立場を考えさせられた。 


 以前転倒したときは、薬のせいで低血糖になり、意識が遠のいたこともあり、今回とは事情が違う。


普通に歩いているつもりが、現状86歳の脚力とはこんなものだった。 


 5月30日は 

高齢者のカラダは予想以上にもろいと、改めてさとった日。