行政書士試験の本試験当日について、私の体験談とそこから考える当日の行動についてお話ししたいと思います。

 

 「ひさぽん」はしっかり眠れて、起きることができました。実は、前日、空手の稽古をしていて、ちょっとハード目に動いたので疲れていたからです。睡眠をとることは大切ですよね。

 朝ごはんはとりませんでした。これは、普段からそうで、朝ごはん食べるくらいなら、できるだけ寝たいからです。朝ごはんを取ることは推奨します。「ひさぽん」みたいな生活リズムにならないようにしてください。

 

 朝のお勉強は、電車の中でしました。電車は座れる電車を選びました。そのために、一応、電車の時刻表を確認しました。各駅停車の電車であれば、目的地に着くまでゆっくり走ってくれるので、ゆっくり座ってゆっくり勉強ができます。ですから、少し早めに出て、ゆっくり会場に向かいました。

 電車の中での勉強は、机でする勉強より意外にしっかり集中できます。そこでした勉強は、自分に自信を付けることでした。1年間、勉強してきたところには、得意なところ、不得意なところがあります。不得意なところを勉強したら、わからないとか、解けないとかなどを考えてしまって、試験直前に大きな心理的負担になるかもしれません。なので、得意な問題を解くようにしました。自分の心を乱さない、気持ちを高揚させるにはこれが一番だと考えました。それに、本試験で得意な問題を落とした時は1年間の勉強が本当の意味で無駄になります。できる問題もできなかったなんてことにならないようにしたいと思いました。

 

 電車を降りて、試験会場の「大阪公立大学」に向かいます。「ひさぽん」は家を出るとき、途中のコンビニでおにぎりか、サンドウィッチを買って試験前に食べようと思っていましたが・・・。目の前に「なか卯」が・・・。コンビニに行くはずが、「ひさぽん」の足は「なか卯」に入っていきました。店舗に入ると注文パネルを触りました。この時、「ひさぽん」は完全に行政書士試験のことを忘れ去り、食べ物のことしか頭にありませんでした。試験のことを何も考えず、無心で食べたいものを選びました。「なか卯」の親子丼が大好きです。もちろん大盛です。本当は、親子丼大盛を2つ頼みたいくらいな気分でした。さらに、うどんも好きなんです。うどんは、暖かいのも、冷たいのも好きなんですが、その日はコシのあるうどんが食べたくて冷たいうどんを。でもそれだけではなくて目に入ってきたサイドメニュー。唐揚げが食べたい・・・。ダメでした。すべて注文してしまいました。食欲には勝てません。

 券を購入して席に着いたら、横に座っている人も行政書士試験を受ける人でした。うどん一つだけ頼んで、勉強しています。この時、「ひさぽん」は、ハッとしました。

 「試験を受けに来てるんだった・・・この時間にこんなに食べたらトイレ行きたくなっちゃう。どうしよう。」

 家を出るときは、コンビニで軽食を買って食べると決めていたのに、気づいたら食べたいものを食べたいだけ注文していました。

 注文してしまったものなので、しっかり全部おいしく食べました。一応、スマホで行政書士試験関係のYouTubeを見ながら食べました。

 こういう食事も、試験に合格するための戦いの一つになるかもしれません。試験中にトイレに行きたくなって集中できないことになったら大変です。自分で最初に決めた計画は最後まで守り抜くようにしましょう。

 

 

 「なか卯」から会場である大阪公立大学の校門はすぐ近くです。時間調整をして会場に向かいました。校門の前では、「LEC」と「東京法経学院」の方がチラシを配っていました。そのチラシは、記憶事項が取りまとめられて掲載されていました。「ひさぽん」は、直前にそのチラシをしっかり記憶しました。たくさんは覚えられないので「LEC」のだけを記憶したのを覚えています。ちなみに、そのチラシで覚えたことが本試験でも2問くらい出ていました。直前期の記憶の整理は大切だと思いました。

 

 さて、会場内に入ったら「ひさぽん」にはすることがありました。まずは、自分の席がどこなのかを確認して、その後、トイレにダッシュです。

 「すべてを出し切る!」

そう決めてトイレに行きました。本試験で、自分の勉強してきたことをすべて出し切るのではなくて、体内にあるものを出し切るのでした。「ひさぽん」は腹筋が強いのか、昔からしたいと思っていないときでも、無理やり出すことができるのです。

 「すべてを出し切って、俺は行政書士になるっ!」

 ということで、「ふーっ」と安心して席に戻りました。そこからは、先ほど話したように「LEC」のチラシをしっかり覚えました。そして、直前の直前で自分の得意な記述式問題を1問解いて勉強を終えました。

 

 試験開始前の準備は大切です。「ひさぽん」は「受験票」、「鉛筆」、「鉛筆削り」、「消しゴム」、「腕時計」、そして不要な「蛍光ペン」を持ってきて小さい机を占領してしまいました。大失敗でした。鉛筆をなぜか5本も用意しました。

 「鉛筆削りあるんやから、鉛筆2本で十分やん」

って、試験中に突っ込んでしまいました。

 ここで忘れてほしくないのは、「腕時計」です。試験会場には時計はありません。おそらく、大阪公立大学だけではないと思います。必ず、「腕時計」をもってきてください。「ひさぽん」の会場では、「腕時計」を持ち込み忘れた人が、

 「この会場は時計がないなんておかしい。時計がないと試験がまともに受けられへんやん。試験監督の時計を貸し出せ。」

と意味の分からないクレームを言い続ける人がいました。本当に迷惑な人でした。「ひさぽん」の左側2列向こうの人でうるさくて、記憶勉強に集中しづらかったことを覚えています。

 行政書士試験研究センターのホームページの「試験当日の注意事項」に、

「試験室内に時計の用意はありません。」

とはっきり記載されています。これから行政書士になろうと思って受験をされる方ですので、しっかり公開されている文章については読むようにしましょう。

 

 

 あと、所持品の「マスク」についてです。新型コロナウイルス感染症の位置づけは、令和5年5月8日から「5類感染症」になりました。そのため、試験会場でのマスクの使用は義務ではありませんでした。「ひさぽん」はそれでもマスクは必要だと思い、着用して試験に臨みました。試験会場は、全く換気もされておらず、数百人が詰め込まれている会場でした。

 「マスクしていないと、新型コロナに感染してしまうな。」

と思っていましたが、試験中、マスクが気になってしまい、マスクを外して試験を受けました。試験中は、それでよかったのですが、その翌々日、体調が悪くなり、病院に行ったら「インフルエンザA型」に感染していました。

 このようなことがありますので、自己判断をしっかりして下さい。「ひさぽん」の場合は、マスクを外して試験に集中できたから合格できたのかもしれないと思うので、合格するためにインフルエンザにかかったということにしました。

 あと、今でも許せないと思うことがあります。マスクをつけていたら助かっていたのかなって。忘れられない出来事です。体が大きめの隣の人がなんだか落ち着きなくもぞもぞしています。そして、その人は試験中にこともあろうに、僕の方向にお尻を向けてきました。

「プー、ぶりぶりっ」

 その直後、突然恐ろしいくらいの猛毒臭がしました。殺傷能力がある毒ガスです。マスクをしていない僕は、もだえ苦しみました。気が遠くなるようなすごい悪臭です。しかも、もう2回、僕の方に噴射してきました。

 計3回の毒ガス噴射で気絶するかと思いました。これは、大げさに言っていません。「ひさぽん」の体の機能が全部一瞬止まりました。記憶が飛んだような感じで、確かに

「「ひさぽん」はなんでここにいるのだろう。」

と考えたのを覚えています。その後、気を取り直して考えたら、

「ぶりぶりっ」ってなったよな・・・。

 そのあとは、何が起こったのか考えないようにして試験問題に戻りました。試験中には、このような「不慮の事故」に遭遇するかもしれませんが、負けないで試験に集中できるようになってください。

 

 さて、試験問題の解き方です。「ひさぽん」は、実はオーソドックスに前から順番に解く人です。でも、実は、最近の行政書士試験は、1問目と2問目の基礎法学が難問であることが多いです。最初に出鼻をくじかれてしまって、そこで心理的に負担がかかり、あとの問題に影響が出る人がいます。「ひさぽん」も難問の後は、基本的な問題でも頭が混乱してわからなくなることがありました。

 この対策としては、まずは、考えずに解ける問題や、得意な分野から解くことをお薦めします。「基礎知識」は知らない問題が出たりしますが、とりあえず、知っている、知らないで解く問題なので「文章読解」以外の問題はそんなに時間を要しません。時間の余裕を感じて試験を受けたい方は、「基礎知識」から解くことをお薦めします。そのあとは、自分の得意な強化に手を付けるのがいいと思います。

 ただ、行政書士試験は、その年その年で難化傾向と易化傾向になる科目が変わります。得意科目のはずの問題が難化して解けないときは、試験中に焦りを感じました。

 令和五年度は「憲法」がかなり難化していました。「ひさぽん」は憲法が得意でほとんど憲法を間違えることはありませんが、「択一問題」の憲法5問中3問しか正解しませんでした。みなさんからは、3問も正解したってすごいといわれましたが、試験中の心理的な影響は大きかったです。憲法が終わった後の行政法も、リズムを崩した感じで進んでしまった気がしました。

 あとで、LECの調べによる「憲法」の「択一問題」の正答率を確認したら、正答率が50%を超えている問題は1問しかありませんでした。例年より、完全に憲法は難化傾向にあったことが分かります。毎年同じではないので気を付けてください。

 

 

 「ひさぽん」は、問題を解くとき「択一問題」は5問とも解いてから回答を記入していました。受験テクニック的には、合理的ではなく、あまりよくない方法だといわれています。答えが分かれば、直ぐ次の問題に行く方が時間を余らせて見直しができるからです。そのために、組み合わせ問題などは、消去法を使って問題を解く時間を短くするべきだと「ひさぽん」も思います。しかし、「ひさぽん」は自分のことを信じ切ることができない性格で、答えが分かってもどうしても間違えたものを選んでいるかもしれないのですべて確認してしまいます。結局、選択した答えを変更したことはほとんどないのですが、どうしてもすべて解くことにこだわってしまいます。おかげで、模擬試験も含めて、いつも、見直しの時間はありません。みなさんには、試験問題の解き方のテクニックを身につけることをお薦めします。

 

 試験は3時間。「ひさぽん」の勉強体力は1時間です。本当に長くて辛い戦いが本試験です。終わった後は、ヘロヘロになっています。しかも、毒ガス攻撃で毒素まみれの体になっています。

 試験が終わって最初にしたことは、会場の外に出て普通の空気を吸うことでした。

 「死ぬかと思った・・・」

 これ本当です。本当にやばい会場での受験だったと思います。もしこれで不合格だったら、僕に毒ガスを噴射したヤツのせいだと思いました。このことは、試験当日にX(旧Twitter)に投稿してしまいました。

 みなさんからコメントいただきました。本当にありがとうございます。みなさんとお話しすると少し気持ちが楽になりました。

「みんな頑張ったんだよなぁ。すごいなぁ。やっぱりSNSの仲間も大切だなぁ」

って、本心で思いました。その時は、いつも話しかけてくださる方に感謝しました。

 

 

 さて帰り道。「ひさぽん」はヘロヘロになった体で電車に乗りました。電車に座ると寝てしまいました。起きたら、終点です・・・。

「えっ・・・なんでここ?」

 実は、家に帰るのと反対方向の電車に乗って終点についていました。よっぽど疲れていたのだと思います。本当にびっくりしました。

 その駅は、大阪の繁華街の1画を担う「難波駅」です。帰ってすぐ寝るつもりでしたが、繁華街についたのなら、少し楽しもうと思って駅を降りました。帰りに、生まれて初めての一人焼き肉を満喫して帰りました。

 

 本試験当日の「ひさぽん」の様子でした。「ひさぽん」の体験談から、皆さんには、以下のことをお薦めします。

 

・会場への持ち物をチェックすること(腕時計は絶対忘れない)

・早めに家を出発して、電車は座わること

・電車は各駅停車に乗って、勉強をゆっくりすること

・試験前の心理負担を減らすため、得意なところから勉強すること

・不得意なところを勉強して、当日にこなせる問題量を減らさないこと

・軽食を持参して会場又は会場付近で食べること

・会場入り口付近で配られる予備校のチラシは一つに絞って直前の記憶に役立てること

・試験直前に、1問自分の得意な記述式問題を最後に解くこと

・試験問題は、考えなくてよい問題(基礎知識)や得意な問題から解くこと

・「択一問題」は全問解くのではなく、消去法などテクニカルに解くこと

・周りの人の攻撃に負けない強い自分を持つこと

 

 以上が試験当日について、「ひさぽん」からお薦めすることです。

 

 次回は、このシリーズ最終回。合格発表までの過ごし方についてお話ししたいと思います。「ひさぽん」が体験したこと、一緒に受験をした仲間の動きなどを紹介して、みなさんの役に立てることをお話しできればと思います。