さて、問題集をやってみましょう。

 「あれ?全然解けない・・・」

 そうなのです。あれだけ何度も読み返して、キーとなる言葉を勉強してきたのに全く問題は解けません。実は、「ひさぽん」も、これには驚きました。実は、違う資格試験ではそれなりに解けたのですが、行政書士試験では1問も解けないと思っていただいてもよいと思います。

 しかし、このキーとなる言葉がわからないと問題の解説の意味も分かりません。実は、言葉を分かっていることは、この試験では大前提なのです。そのうえで、どのように理解し、どのように考えることができるかを見分けられる試験なのです。

 だから、言葉の意味が分かっただけでは問題は解けません。だけど、言葉がわかっていなければ、問題を読むこともできません。行政書士試験が難関資格といわれる理由はここにあるのではないかと思います。

 そこで、問題集は、最初は解くものだと思わないでください。読み物だと思ってください。問題を読んだら答えを考えるのではなく、そのまま解説を読んでください。

 そして、ここでまた作業が始まります。「ひさぽん」が紹介した「テキスト」と「基本問題集」のシリーズで購入された方は、必ず問題の解説と同時に、その問題に対応した「テキスト」のページが記載されていると思います。そこで、問題に対応した「テキスト」のページを見てみましょう。

 テキストをこれまで勉強した時に、「小項目・小見出し」の説明を書いている部分を青色蛍光ペンで塗ったと思いますが、それ以外は着色されていません。そこで、対応する「テキスト」のページを読みながら、着色されていない部分を黄色の蛍光ペンで塗っていきます。必ず、読みながら塗ってください。

 こうしていけば、「基本問題集」が終わったころには、「テキスト」の全体を読むことができます。これをすれば「「テキスト」を全部読んだぞっ!」とうれしくなります。だから、必ず、読みながら黄色の蛍光ペンで塗ってください。

 みなさんは、「テキスト」を読んで、「基本問題集」を解くと考えているかもしれませんが、逆転の発想を持ってください。「基本問題集」を解くことで「テキスト」を読んでいくのです。「テキスト」を読むために「基本問題集」を解いていくのです。

 「解説を読む」、「テキストを読む」ということが重要なのです。問題が解けて、その答えを覚えても、それと同じ問題は出題されません。だから、問題を読んで答えがわかるだけでは、行政書士試験は合格できません。

 「ひさぽん」は、1回目はこのように「基本問題集」を読んでいき、とにかく「法令科目」を全部終わらせました。そして、「基本問題集」を2回目するときは問題を解くたびに、答えを「〇」、「×」で考えるのではなく、すべて理由を自分で言ってみて、それに応じて「〇」、「×」を付けます。そのあと、正解と解説を読んでいました。そして、解説と同じ理由を述べることができたら、一人で喜びまくっていました。

 きっと、予備校の先生は、問題を見たら、すぐに生徒に理由を説明できます。これをすべての問題でできるのだから、本当にすごいですよね。

 そこで、「1問だけど、予備校の先生みたいに解説できるようになったんだ。「ひさぽん」ってすごいやんか!」って思うようにしました。そしたら、モチベーションが上がるじゃないですか。そして、「問題を全部解説できるようになったら、「ひさぽん」は、予備校の先生になれるかも!」っと暗示にかけたのです。とにかく、問題の解説ができるたびに、自分をこうしてほめましょう。「ひさぽん」は、モチベーションを上げないと勉強が続かないし、習慣化した勉強をやめる恐れがあったので、こうやってモチベーションを上げました。

 ただし、解説ができるといっても、「基本問題集」の解説や「テキスト」ほどのしっかりした解説ができるわけではありません。なので、正解しても、また「基本問題集」の解説や「テキスト」をしっかり読み直すようにしましょう。要は、正解しても、間違えても、作業は変わらないということです。

 これを「ひさぽん」は試験までに10回することが理想だと思います。ただ、テキストを読むという作業は大変ですので、3~4回目くらいからは「テキスト」は「基本問題集」の解説を読んでもわからないときだけにするといいかと思います。

 問題が解けたので解説を読まなくなるというのは「ひさぽん」の勉強法ではお薦めしません。「テキスト」を読まなくなっただけでも、大幅に読む量は減りますので、それにより「基本問題集」を解く量と解説を読む量を増やすことで記憶を定着させてください。同じ問題は出ません。だからこそ、解説は重要です。理由がわかり、周辺知識も付いてきます。この作業は大切にしてください。

 あと、自分のモチベーションを上げるために、問題を解くたびに、解いた問題のページには解いた月日を記入してください。

 実は、1回目を全部終わるには、下手すれば2か月以上かかるかもしれません。しかし、2回目、3回目と解くたびに、この間隔は狭くなってきます。自分自身の理解が上がっていることや習慣化した勉強により、読むスピードが上がっていることが実感できます。だから、必ず月日を記入してください。

 最後に、試験まで2か月を切った時には、改めて「基本問題集」を解きながら該当するページの「テキスト」を読む作業を1回は行ってください。できればスピードは早めで。問題の解説はできるようにある程度なっていますが、テキストがさらに補足してくれます。久しぶりに読むと忘れていることだらけです。でも、直前期は、最初のころと違って理解力が上がっていますので、テキストの吸収力が全然違います。頑張ってください。

 

 補足ですが、「基本問題集」の問題に合わせて、テキストに黄色の蛍光ペンを塗りますが、全部問題を解き終わったときに、テキストを見直してください。必ず、全く着色されていないページがあります。これは重要ではないわけではなく、基本的事項なので問題として取り上げられていない部分が多いはずです。ということは、重要な部分と考えるべきですので、1回目の「基本問題集」の演習が終わった時には、「テキスト」の着色されていない部分は読み直すようにしましょう。

 

 ちなみに、「ひさぽん」は、最後まで「基本問題集」に解答を書き込みませんでした。そして調べたことやテキストで見たことは、「基本問題集」の解説のところに簡単に一言で書くようにしていました。「基本問題集」は何回も繰り返しますので、解説のところに記入しておくと、そのたびに見直せるからです。繰り返すたびに、問題集はぼろくなってきます。そしたら、自分がどれだけ勉強したのか、あとで分かります。これだけ勉強したのだから、落ちたくないという気持ちが強くなるはずです。試験に合格をすることも大切なのですが、このように自分の努力を形として残すことは自分自身の財産になると思います。みなさん頑張ってください!

 

 

 これが「ひさぽん」の「テキスト」と「基本問題集」を使った勉強法の一連の流れです。とにかく繰り返すことが記憶の定着に必要です。だから、それを大切にしてください。

 次は、「基本問題集」を解くときの注意点を「ひさぽん」の失敗談も交えてお話しします。