1996年に刊行された、浅田次郎さんの長編小説です。
これまで多くの方に読まれている大ベストセラーなので、
今さら私がご紹介するというつもりで記事にしたわけではないのですが、
私の大好きな本です。
私は、この本を読んだ当時、香港に住んでいまして、
清朝末期の激動の時代を歴史的事実とフィクションをまぜて描かれたこの小説の中に出てくる
中国語や二胡の調べ、そして香港も登場する歴史の話など。。。
今、自分が生活しているところで毎日感じるような
音、空気、におい。。。そして空の色、建物の色などを文章を読み進む中で
五感で感じ、引き込まれるように読んでしまった記憶があります。
もちろん、香港に住んでいなくても、多くの読者の方が、浅田次郎さんの筆力の素晴らしさに
引き込まれ、夢中になってお読みになったことと思いますが、
私個人の感覚として、いつも以上に本の世界に入ったといいますか。。。
素晴らしい余韻に浸ったというか。。。うまく表現できなくてすみません。。。
本当に感動した本でした。
あらすじについては、こちらにご紹介することは控えますが、
とにかく、心に残る言葉がたくさん出てくる本で、
胸が熱くなって涙が溢れることが何度もありました。
なかでも、私にとって、一番心に残ったのが、
「難しく考えるな、史了。知恵も何もいらない。やさしさだけがあればいいんだ。
大地も空も時間も、すべてを被い尽くすほどのやさしささえあれば・・・・」
という言葉でした。
本を読み進んでいくと、主人公二人のさまざまなエピソードが年月の流れとともに重ねられ、
最後のほうになってこの言葉が出てきますので、
本を読んでいただいた流れの中でこの言葉に出合っていただいたほうがいいのですが、
私にとっては、ある意味、「自分が一番大切にしたいことはこれなんだ」と
目の前の霧がさっと晴れたように明るくなった言葉でした。
人は皆それぞれで、いろんな長所があります。
すごくリーダーシップのある人、
とても勉強のできる人、
心の広い人、
自分の意見をはっきりと言える人、
まじめな人、
素直な人、
。。。いいところって、たくさんですよね。
私は、人と出会ったら、その方の素敵なところを見つけて、
尊敬の気持ちで接するということを大切にしていますが、
そんな中、「あ~あんな人になりたいな。。。この人は素敵だな。。。でも私はまだまだだ。。。」
とちょっと落ちた気持ちになったり、
私にできることってなんだろう、私が一番私らしくあるってどういうときなのだろう。。。
とわけもなく、もやもやしたりするときもあります。
そのもやもやが晴れたのが、この言葉です。。。
私が一番私らしくある。。。こんな風になりたいと思う言葉。
ただやさしいだけでなく、強くて、厳しくて、痛みも知っている、そんなやさしさ。
大地も時間も空もすべてを被い尽くすほどのやさしさ。
自分に迷いが生じたときには、いつも思い出し、
気持ちをリセットします。
ブログを始めた頃から、いつかは記事にしたいなと思っていた本の一つですが、
ふと思い立って、書くことにしたところ、
日本では今現在、ドラマとして放送されているのだそうですね。。。
シンガポールでは見ることができませんが、いつかDVDで見てみたいと思います。。。☆



