続き物です、ダチの発案が遅れると暫く更新できなくなります。
それではへたくそな小説ですが、どうぞ……
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こんな話は前にも聞いた、古泉からだったっけ。ハルヒが無意識のうちに世界を改変していること、いい例として神社の鳩や季節外れの桜があったね、覚えているだろうか、あの映画とすら呼べないほどの代物の撮影の際に起きちまったんだったな。
それ以降ハルヒの精神が安定してたからかどうかは定かではないが、非日常レベルでの非日常的で奇想天外な出来事がここ最近起きていないことは確かである。
別に起きてほしいなんてミジンコ並みにも思ってはいないが、そろそろ起こるのではないかとは内心思っていた。
俺はすでにオーバーヒート気味の頭に糖分を送るため砂糖をたっぷり入れたコーヒーを口へと配達する、朝比奈さんも俺が一息入れたのを見て同じくコーヒーを口へと運ぶ。
次に何を言おうかと考えてる途中、ウエイターがやってきた、食べ終わった皿を片付ける仕草を目では追うものの心はここにあらず、まず落ち着かなければ朝比奈さんのためにもな。
ここで朝比奈さんの話を整理してみよう、今日ハルヒがこの近辺にいること、そして極小規模だが世界が改変されること、それを一緒に阻止してほしいということ、とまあこんなもんである。
ようするにだ……
「ということは未来から指令が来てるんですね。」
「はい、詳しくは禁則なんだけど、未来からの指示なのは確かです。」
分かっています朝比奈さん(大)これも未来に必要なんですよね?
もしこれができなければ俺はあなたと会わなかったことになっちまう、だが現に俺は朝比奈さん(大)にも会ったし、目の前にいる未来から来た朝比奈さん(小)もこうしてここにいる。
こんなこと程度で任務が簡単だと分かり楽観的になるほど、俺は単細胞ではないし、そんなことをやらかせば俺の……いや世界の存在すら危ういことも分かっている。
世界をどうするかはすべてあの邪神に掛かっちまってるわけだ、前々から分かってはいたがつくづく理不尽である、ハルヒの言動もこの世界も。
ここで俺はランチについてきたコーヒーを飲むのを止め、回りの景色を見渡しそして誠実で麗華な朝日奈さんの目へと視線を戻した。
「ちなみにそのDVDはどうしたんですか?」
「これ……ですか?……そのぅ……」
非常に言いにくそうである、当てずっぽうでもいいとりあえずなんか言ってみるか、
「まさかそこの駅前のお店に、なんてことはないですよね?」
「そのぅ……そのまさかなんですぅ……お店の人に言ったら誰かのいたずらじゃないかって言ってました。それで今私が預かってます……」
もう分かりました、DVDに移っているヒトと酷似し過ぎているから疑われてしまったんですね、そんな思いは二度とさせません、そんな仕事は今後一切を俺が引き受けます。
「ありがとう……キョン君早速で悪いんだけど、涼宮さんに電話をして欲しいの。」
「俺がハルヒにですか?」
「うん、その電話でなるべく涼宮さんを危険地帯から離れさせて欲しいの。」
「その危険地帯って言うのは?」
「これです、この赤いマークがついてるところです。」
そういいながら朝比奈さんは俺に見覚えのあるメモ用紙を広げた。そこに書かれていたものを理解するのに俺は時間を要した。
朝比奈さん(大も小も)に絵の上手さを期待することは、ハルヒにおしとやかさを期待するのと同じくらい期待できなかった。
ぱっと見、印象画とも思えるそのメモには一応東西南北が記されており、駅みたいなものを確認することができたが……なんせ真っ赤っ赤である。
駅周辺の地図であることは分かっているが、おそらく半径二百メートルは九割方アウトであろう。
これほど該当箇所があるとなると思うだけで俺の頭には偏頭痛が走る、精神病になってもおかしくないぜ。
「午前中は大丈夫だったんですか?」
「うん、これによると改変が起こり始めるのは十二時から……多分涼宮さんがどこかで昼食を食べてるときじゃないかなぁ?」
容易に想像がついた、不思議なものが見つからなかったハルヒは喫茶店で不機嫌な顔をしながら独り言をぶつぶつ、その独り言は長門が言うそれと多少は違うが魔法の言葉ということに変わりはない。そして世界プチ改変計画開始と……小学生じゃないんだし、そろそろ大人になってくれよ。
まるで機嫌を悪くして世界という玩具で遊ぶことに飽きちまった、自己中心的で自尊心の高い小学生、そう正に単細胞バカである。
「要するに……方法としてはハルヒを遠ざけるか、危険因子そのものを取り除くという方法しかないってことでいいんですよね?」
「そういうことになっちゃいますねぇ……」
失敗した場合のシュミレーションなんてしたくもない、成功するしかないのだ、一発で。
誰かアポ入れといてくれないのかね、マネージャーつければやってくれるのか?
そんなことはできないことくらい知っている、せめてもの気休めさ。
「まずは近いところから当たりましょう……今は十二時四十分だから……ひいっ!」
「どうかしたんですか?」
「キョン君急いで、で、電話をしてください!!今すぐに涼宮さんに!!」
「まさか!!……何から遠ざければ?」
「そのお、あの……あっ、本屋さんです。できるだけ離れるように誘導してください!」
と言われてもねぇ?俺はネゴシエーターでもないしそんなに会話術があるわけでもない、そもそも俺があの直感で生きている女の勘に勝てるのだろうか?
ええい、悩んでる暇はない!とにかく電話だ。
…………
「もしもし、ハルヒか?」
「キョンいったいこんな日に何の用?」
明らかに不機嫌である、声だけで身震いしちまう。
「お前今どこにいる?」
「どこにいるって、駅前だけど……あんた今から来るつもりじゃないでしょうね?基本的に用がないとき以外電話禁止なんだからね!」
「そういうことじゃない、ただなんか今日は桜が咲いてそうな気がするんでな。」
「あんた馬鹿?今は冬よ!咲いてるわけないじゃないの!!勉強のしなさすぎで頭がどうかしちゃったんじゃないの?」
お前に言われたかないが今はそれどころではない、言い訳を考えなければ、
「けどそういう盲点にこそ不思議があるとかないとか言ってたのはお前だろ?」
「う……そういえば……そうかもしれないね。確かに前にもよくわかんないけど咲いてたわね…まあ、団員の意見を聞くことも必要ね、行って確かめてみるわ」
ブツッ
もう切りやがった、相変わらず自己中心的な女だ。俺から電話切ったことあったっけ?
「で次はどうすればいいんです?」
「涼宮さんが桜を確かめに行く間に、文具屋とカフェに行きましょう。」
文具屋とカフェ、ってハルヒが変えたいものがそこにあったとでもいうのか?
どれだけ考えてもメモリ不足の俺の頭ではどれだけ考えても答えは出そうにない。
えーと朝比奈さん?そこのどんな部分が改変されたんですか?
「それが……わからないんです……」
つまり探し出して処理しなきゃいけないんだな、地雷処理班以上に危険で制限時間つきという無駄極まりないオプションまでついてる仕事だな。
しかも地雷探知機なしでそれを探せというのだから無茶苦茶である、タイムアップになったら世界が爆破されかねん。
うーん、またもや俺の小さな両肩に世界が乗っかることに……もうちょっと世界を救えそうな主人公はいなかったのかね?
「時間がないならうかうかしていられません、とりあえず文具店に行きましょう。」
といっても所詮徒歩である、空白の時間ほどもったいないものはないので、俺は午前中のことを尋ねてみる。
「午前中の買い物には、なんか異常でもあったから行ったんですよね?」
「まあ、そうなります。涼宮さんの力によって具現化されたものを回収および抹消しました。」
「まさかとは思いますが、プリント入りの服とかあったんですか?」
「うう……ビンゴですぅ……」
「それも今持ってるんですか?」
「ううん、お洋服は未来から許可された『禁則』をすることで現在空間から削除したから今は持ってないの、でもお茶葉だけはただ買いたかっただけなの、時間とらせてごめんね……」
いえいえ、朝比奈さんのご要望であれば三年でも四年でも待てそうですよ。それに悪いのはハルヒなんですから朝比奈さんがそんな風に気にやむことはありません。
「ありがとう……あ、そろそろ文具店に着はずなんですけど……」
「ここですね、俺も来たことがあります、多分すぐ見つかるでしょう。」
ところがその考えは恐ろしく甘いことが分かるのは探し始めてすぐだった、探し終わったときに気が付いたが、この間違い探しゲームは懸賞金が付いてもいいくらいあまりに難しかった。
朝比奈さんの持っているメモによるとこれを二十分で探す必要があったらしい、実際二,三分オーバー、この後のスケジュールに響きそうだ。
次はカフェである、駅前には三軒ほどカフェがあり一軒は先ほど食事をした朝比奈さんプレゼンツのおしゃれカフェ、残り二軒だが地図があるのですぐに見当はついた、ありがとう朝比奈さん(大)絵の上手さはこの際関係ありません、わかりゃいいんです。
またしても移動である、こんなことならハルヒに注釈しておくべきだったな、「不思議を探すならSOS団内を探したほうがいい」と。
時間は只今一時、家にいればごろごろしている事だろうが、これは(非日常的な一般の)一般論で言うと有意義なんだろうか?
はあ、誰か俺にSOS団用の辞書を作ってくれないか、真面目なのにとびきりクレイジーな内容の辞書をな、俺はだんだん非日常に慣れてきちまってるんだ、ここらで是正しないと取り返しの付かないことになりそうなんでな。