I PAD映画鑑賞NO.4

今回は2011年に没した森田芳光監督の遺作「僕達急行A列車で行こう」を選択。
私が現代日本の映画監督の中で最も高く評価していたのがこの森田芳光。
「それから」、「(ハル)」、「刑法第三十九条」など印象的な作品でした。
特にパソコン通信の可能性の世界を探った「(ハル)」では、やがて到来するネット全盛時代への洞察力の鋭さに感心させられたものでした。
 
その森田監督の鉄道マニアを扱った作品ということで、期待して見たのですが、期待外れの駄作。
辛抱して見ていましたが最後迄見るのが時間の無駄というか、耐えられずにラスト1/4ほどは圧縮して終了。
京浜工業地帯での舞台設定というのは共感しますが、安直なストーリー、下手な役者、ステレオタイプに描かれた人間関係等々、肉体的な死を前にして映画監督森田芳光は死んでいた、というのが率直な感想。
まあ、好き嫌いは別として秀作に接すればそこから何らかの思考が誘発されるものですが、流石にこういう凡作からは何も語るほどのものは誘発されない、というよりもそんな結論が引き出されたという本作品でした。