[α]
iPad映画鑑賞第二弾はアメリカ映画「サイコ」。
先日、朝のTBSラジオでこの映画が推奨されていたので、見落としていたヒッチコックのこの映画に接してみようということで昨日鑑賞。
印象としては、エンタテインメントとしてその場限りで楽しめたというだけの話。
格別の感興も余韻も無く、語ることも無し。
まあ、映画としてはそれでよし、というところでしょう。
 
[β]
ただ一点印象に残ったのは、助演女優ジャネット・リーの美しさ。
単に容姿容貌の美しさというより、その表情の、眼差しの、そのコミュニケーションの力の、そう、存在全体の輝きというか。

考えてみれば、この作品の制作は1960年。
第二次大戦を経て、ニューヨーク市場が1929年恐慌時の株価指数を回復したのが1956年。
まさにアメリカ資本主義の黄金の60年代の入り口でこの映画は作られたわけで、そんな時代の高揚がジャネット・リーの美しさの背景にはある、と言えるかと思います。

成熟したブルジョア文化はあのような女性をスクリーンに送り出すのか。
過去の光で幻惑されますが、現在は実体を欠いた“恒星”とも言えるような現代アメリカに比し、輝いていたアメリカの、その光の部分をジャネット・リーに感じ取った次第です。