久し振りに映画見てきました。
映画館に足を運んだのは半年振りくらい、それだけ精神的に余裕なかったということです。

作品は「フラガール」(船堀シネパル)。
軽い気持ちで見に行ったのですが、面白かった、というより何か物凄い作品。

戦後昭和史に大きな影を落としている石炭産業の衰退。
この歴史的テーマを舞台に、悲喜こもごもの精神的葛藤が見事に描かれている。
私の感性にピッタリはまりました。

松雪泰子が風呂場に突入する場面、あそこだけが違和感抱かされ、あの部分カットしてくれたら、100点満点の100点、という程気に入りました。

昭和の歴史、昭和の精神史をユーモアを交えながら映像化して、あの場面さえなければ、将に歴史的名作、歴史的傑作。
小津安二郎の映画など懐古趣味もあって評価されていますが、作品レベルとして私はこの映画の方を断然上位に評価しますね。

衰退する石炭産業の町に、東京からやってきたツッパリダンス教師の平山まどか。
石炭もかつては黒い<ダイヤ>、平山まどかもかつてはSKDで輝いた<ダイヤ>。
黒い<ダイヤ>で生きてきた人々と<ダイヤ>の輝きを捨ててきた平山まどか、人生行き場を失った両者に奇妙な精神の諧調が。

役者は皆素晴らしい熱演、役者の凄さ感じました。
隣の客(女)はづっと泣き通し、私もしばしば涙でコンタクト曇りました。