今日はフットサルがお休みだったので、道場へ。

田口支部長が誕生日だという事で、どーするか熟考。中々同性の目上の方にプレゼントを贈る機会は少ないので難しく、しばし動き停止。
酒か…、あっ、フルーツか…、いや、食べ物が良い。
ふと、駅前の鎌倉ハムを思い出し、我ながら名案だと思いながら買い物へ。

ん?雨?

降ってるのかすらも分からない程の小雨に、雲行きを危ぶみながらも、近所のお店へ。

ん、暗いな。

遠くからおぼろげに見えるお店。

いや、まさかな。金曜だから定休日なんて事はないよな。

そんな嫌な予感を抱えながらも、いざお店に到着。

マジか……、

ボッーと見つめるお店のドアには、closeの看板。

金曜なのに休み?潰れた?
あっ、ひょとして普通に今日はもう終わったのか?!18時だもんな、19時までやれよ…
ヤバい、どーしよう、稽古開始までもうそんな時間は無い、迷ってる場合じゃ無い、何買おう、スーパーのギフトコーナーは有るけどきっとお菓子しかない、良い年した大人の男にお菓子⁉︎
いや、いや、だったらケーキの方が良い、ん、甘いの嫌いだったらどーしよう…
そーいえば俺、女の子のプレゼントでこんな悩んだ事は無いな、けっこう適当だったのかな、そんな事は無いな、それなりにマジメに、まずい、時間が…。


アドレナリン出まくりで立ち尽くしてると、ふと視線を感じ、そちらに注意を向ける。
鎌倉ハムのドアの横でタバコを吸いながらこちらを睨む若者二人。

そっか、俺が店を見てるのを、ガン飛ばされてると思ってるのかもしれない。

こんなとこでタバコ吸っちゃーいけんよ。
人いっぱいおるんじゃけぇ。

気不味い間を吹き飛ばすかのように僕は言った。
いや、こんなに優しくは、間違いなく言って無いのだが、おおよそそんなニュアンスで。
振り返り振り向く人々。
注目を浴びる二人。
逃げるようにタバコを消し、去って行く若者。

ゴメンね、もっと優しく俺が言ってあげられれば良いのに。
もっと俺が広い心を持ててれば良かったのに。
あーほんとプレゼントどーしよう。
取り敢えず向かうか。
ん?

またまた、視線を感じ振り向くと、踏切待ちで並ぶ数々の人々の目線が俺に。
見事なほどに全員の。
見事なまでに嫌悪の目で。

嘘でしょ…、注意しただけなのに…、こんな時間、通勤帰りの人々が往来する駅前の通りでタバコ吸ってるから…、標準語で言えば良かったのか…、
まぁ確かにお店が閉まってた苛立ちと、アホな顔で立ち尽くしてた恥ずかしさで、多少言い方はキツくなったのかもしれないけれども、
けれども、
けれども…、

何事も無かったかのように、その場を去る俺。
コントなら口笛を吹きながら去って行くような感じ。
だって俺はこんな間抜けな事に付き合ってる暇は無いのだから、俺には時間が無いのだから。
プレゼント買わなければいけないし、稽古に遅刻しても本末転倒になってしまうのだから…。


結局、ヒロシはお酒をプレゼントしたそうな。
めでたし、
めでたし。



なんて事は無い、ある金曜日のお話でした。。。




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稽古終わり、田口支部長と。
田口さんは、元中量級の全日本チャンピオンです。理論的に丁寧に教えて頂いてます。
この方が居なければ、道場に通い出すなんて事は無かったでしょう。

誕生日おめでとうございます。





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