甦る。 | ヒサblog(久本酒店のblog)

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讃岐・香川県で酒屋を営む、ヒサモトのBlogです。
スタッフみんなで、こだわりのお酒や食品、ちょっとしたレシピも
モリモリ掲載していきます。

甦る。

岩手県紫波町に国指定重要文化財の建築、日詰平井邸があります。第19代内閣総理大臣原敬をはじめ多くの有名人が訪れた平井邸は客人を迎えるだけで無く、岩手の米処として大きな役割を果たし
またかつては造り酒屋として地域の人々の心と喉を潤していました。

平井邸(当時の平六商店)はより大きな商圏を求め盛岡へ進出。複数の蔵との統合独立の末、菊の司酒造となりました。
幼い頃から酒造りに触れ合っていた平井家16代目の平井佑樹さんが蔵に入ってからは落ちていた酒質改善がなされ、全国新酒鑑評会金賞、IWC金賞など各賞を獲得。一気に全国区の酒蔵へとなりました。

しかし、長く続いた経営の傾きは一朝一夕にはならず事業を譲渡ことに。それを機に佑樹さんは菊の司を退職することになりますが酒造への思いは消えることなく。自らのルーツである平井邸で再度、酒造りを行うことを決心します。

酒造免許がないためクラフトサケとして地元の米、原料にこだわり3つのサケをリリースしました。



⚫︎無涯ーむがいー re:vive
復活を意味する「revive」を冠する、
平六醸造のベースラインナップ。
副原料には紫波町産もち米の発芽玄米のみを使用し、
日本酒に極めて近い香味を持ちながら醸造合理性を高めました。

原料米はすべて岩手県産米を使用しました。。
磨き上げた白米を南部杜氏に受け継がれ進化し続ける吟醸技術と、
長期間の低温発酵によって醸造しています。
凛とした華やかな香りと瑞々しい甘味を楽しむことができます。
果ての無い醸造酒の可能性を究める酒として「無涯」と命名しました。

副原料にもち米の発芽玄米を使用し、
醸造用乳酸など人口添加物は使用しない。
生もとと速醸もとのハイブリッドと言える製法を確立しました。

⚫︎空我-くうが-Re:vive
原料米はすべて岩手県産米を使用。掛米は食用程度の精米に留め、さらに一般品種(あきたこまち、銀河のしずく)なども使用。不向きとされている原料米であるが、徹底した発酵管理と独自製法の酒母により清澄な甘味と酸味を楽しむことができる低アルコール原酒を実現した。平六醸造はもち米の発芽玄米を製麹し酒母工程で混醸する。玄米に含まれるアミノ酸・ビタミン・ミネラル分を無駄なく酵母などに供給することで、一般的な酒母歩合の約半分量で安定的に発酵を管理することが可能になった。酵母活性の向上による吟醸香成分が増加し、酵母は死滅しにくく雑味の原因となるアミノ酸は減少。また、醸造用乳酸など人工添加物は使用しない。乳酸菌を加え発酵させることで必要な乳酸量を賄いつつ、酒母は10日程度で完成させる。伝統製法である生もとと今日の一般製法である速醸もとのハイブリッドとも言える製法を確立した。空我-くうが-は、仏教の教え「我空」から命名。

⚫︎ブドウ Rayer
基本製法「Re:vive」に対して、
紫波町産キャンベルなどの果汁を添加し混醸しました。
醸造のテーマlayerの重層的な味わいを表現するため、
果汁は複数回に分けて添加し、
米の日本酒的な香味、発酵ぶどうのワインのような香味、
そしてフルーツのような香味を融合させました。

日本酒、ワイン、リキュールとも異なる、
「葡萄酒」は多様な料理との可能性を秘めており、
発酵能力を高めた発芽玄米を使用した製法とは相性がよいです。
酵母の活性化によって香気成分は増加し、
健全な酸が豊満な味わいを支えるこ
とで全体のバランスを締めています。
熟成、副原料、添加配分などレイヤーとしての余白は残されており、
1 年1 年の収穫の喜びと醸造酒としての深化をお楽しみいただきたいです。

飲み慣れた日本酒と変わらない、それでいて新しいRe:viveシリーズと全く新しい日本のサケ
2本の柱で挑戦する平六醸造に注目ください!

にっしゃんでした。